GfK Japanは全国の主要ゴルフ用品取り扱い店、およびインターネット販売の実績をもとにした2023年の主要ゴルフ用品(※)販売動向を発表した。本稿では、その概要をお伝えする。
※ゴルフクラブ、ゴルフボール、キャディバッグ、ゴルフシューズ、ゴルフグローブ
主要ゴルフ用品販売動向
2023年の主要ゴルフ用品販売金額市場規模は、前年比4.7%減となった(図1)。
2022年以前はコロナによる行動制限が続く中、ゴルフは密になりにくいアクテビティとして認知され、市場が拡大した。
しかし2022年の中盤からその好調さも落ち着きを見せ、2023年になると年初から前年を割り込み、コロナが五類になり行動制限が弱まる中、旅行や外食などゴルフ以外への活動が活発化する反面、ゴルフ用品市場は前年を下回る結果となった。
■ゴルフクラブの販売減速
ゴルフクラブの販売は、コロナの影響が出た2020年から2022年年の間は、商品の不足による販売機会ロスなどがあり、需要に追い付かない側面があった。
しかし2023年には供給不足も一定の落ち着きを見せ販売機会ロスも目立たなくなる中、販売が不振となったことで在庫消化が進まず苦戦した。
新製品の発売が市場を押し上げる場面もあったものの、年間トータルでは2022年を下回り、前年比4.1%減となった(図2)。
■ゴルフボール販売量がコロナ以前よりも7%増加
ゴルフブームが落ち着いたことで2023年はボールにおいても2022年からは下回る結果となった(図3)。
一方でコロナ禍以前の2019年を振り返ると、当時は若年層のゴルフ離れや既存ゴルファーの高齢化などによるゴルファーの減少傾向が続いており、将来的な市場規模の縮小基調が不可避と考えられた。
しかし、コロナ禍の間にゴルフを新規で始めたり、しばらくゴルフをやめていたが再開したり、ラウンド頻度が増えたり様々な理由でゴルフ場の入場者数が増加した。
2023年はブームが落ち着きゴルフから離れた人もいる中で、ゴルフプレーに伴う消耗品であるボールは、コロナ以前よりも販売数量が増えている。
つまりコロナ禍をきっかけに増えたゴルフプレー需要もコロナ以前よりは多く、ある程度維持されていると考えられる。
市場を支えるゴルファーが増えているということは、苦戦を強いられた主要ゴルフ用品の将来にとってもポジティブな出来事であり、今後も維持しながら長期的な市場成長につながることが期待される。
構成/清水眞希