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「恐縮至極」という表現は、ビジネスシーンなどで耳にすることがある言葉です。日常会話ではあまり使わない表現であるため、実際聞いたときに意味を理解しにくいこともあるのではないでしょうか。
この記事では、恐縮至極の意味や似た表現の恐悦至極の意味と違い、使い方・例文などを解説します。あわせて類語・言い換え表現も理解を深めましょう。
「恐縮至極」とは？読み方などの基礎知識を解説
「恐縮至極」の読み方は「きょうしゅくしごく」です。日本では謙虚さを美徳とする文化があり、ビジネスシーンなどで「恐縮です」という表現がよく使われています。しかし、「恐縮」にさらに「至極」をつけた表現は、あまり聞き馴染みがないかもしれません。
はじめに、恐縮至極の基礎知識を解説します。四字熟語としての意味や「恐縮」「至極」それぞれの意味、似た表現である「恐悦至極」、「恐悦」と「恐縮」との違い、使い方・例文を確認しておきましょう。
■意味は「この上なく申し訳のないこと」
恐縮至極の意味は、「この上なく申し訳のないこと」です。この意味だけだと、謝罪のときのみに使う表現のように見えるでしょう。しかし実際は、恐縮至極には「感謝の意」が含まれていて、「ありがとうございます」との置き換えが可能な表現です。
たとえば、「お忙しい中貴重なお時間をいただき、恐縮至極でございます」などと用います。
■「恐縮」「至極」それぞれの意味
恐縮至極は、「恐縮」と「至極」という2つの言葉を組み合わせた言葉です。これらの言葉には、以下のような意味があります。
・恐縮
……恐れて身がすくむこと。相手への迷惑や相手からの厚意を申し訳なく思うこと。
・至極
……この上なく。極めて。「至」「極」の漢字はどちらも「これ以上ない」という意味。
恐縮は、自分のことをへりくだることで相手に敬意を示す表現です。恐縮という言葉だけでも、感謝や謙虚さを表す際や相手への比較的軽い迷惑に対して申し訳ないと伝える際、相手に依頼する際のクッション言葉などとして用いられています。
■似た表現の「恐悦至極」の意味
恐縮至極と似た表現に、「恐悦至極（きょうえつしごく）」があります。恐悦至極とは、「つつしんで喜ぶこと」「相手への敬意を込めて感謝すること」を意味する言葉です。
相手の好意や取り計らいなど、何かしてくれたことに対して喜び、この上ない感謝を表現する際に用います。恐悦至極の至極も、恐縮至極の場合と同じく「程度がこの上なく高いこと」「きわめて」という意味の言葉です。
■「恐悦」の意味と「恐縮」との違い
恐縮至極と恐悦至極で異なるのは、「恐悦」と「恐縮」の部分です。
恐悦とは、「相手の好意や取り計らいなどに対して、つつしんで喜ぶこと」「敬意を込めて感謝すること」を意味します。相手への感謝の気持ちや祝意を述べる際に使う表現で、「恐悦の思いです」や「恐悦に存じます」などと使います。
一方、恐縮とは「申し訳ないと思うこと」「恐れ入ること」という意味です。感謝することを恐縮ですと表現する場合もあるものの、恐悦と恐縮では「喜び」と「申し訳なく思う気持ち」のどちらに重きを置いているかが異なります。
■「恐縮至極に存じますが」などの使い方・例文
それでは、実際の使い方を簡単な例文で確認しておきましょう。
・本日はお忙しいところご足労いただき、恐縮至極でございます。
・この度は貴重なご意見を賜り、恐縮至極に存じます。
・お声がけをいただき恐縮至極でございますが、今回は辞退させていただきたく存じます。
恐縮至極は、謝罪や依頼、感謝の気持ちを伝える際などに使える表現です。また「恐縮ではございますが～」のように、依頼する前のクッションフレーズとして、「恐縮至極に存じますが～」と表現できます。
恐縮至極の類語・言い換え表現などをご紹介
あわせて、恐縮至極の関連語も確認しておきましょう。
恐縮至極の類語・言い換え表現や「至極」を使った他の表現は、以下のとおりです。
＜類語・言い換え表現＞
・有難き幸せ（ありがたきしあわせ）
・望外の喜び
・恐惶謹言（きょうこうきんげん）
＜至極を使った他の表現＞
・至極当然（しごくとうぜん）
・感謝至極（かんしゃしごく）
・光栄至極（こうえいしごく）
それでは、これらの関連語の意味を解説します。
■恐縮至極の類語・言い換え表現
恐縮至極の類語・言い換え表現は、以下のとおりです。
・有難き幸せ（ありがたきしあわせ）
……めったにない巡り合わせや幸運。古風な言い回し。
・望外の喜び
……期待や想像を超えた出来事への思いがけない喜び。
・恐惶謹言（きょうこうきんげん）
……「恐れ謹んで申し上げます」と伝える表現。手紙などの末尾に書くと、最大限の敬意を示せる。自分よりもはるかに地位の高い人に直言するときにも用いる。
このうち、「有難き幸せ」や「望外の喜び」は、恐悦至極と似た意味をやわらかい表現で伝えられます。また、恐惶謹言は類語・言い換え表現であるものの、恐縮至極よりも感謝の意が薄れることに注意すると良いでしょう。
■「至極」を使った他の表現
恐縮至極と同じように「至極」を使った表現の例は、以下のとおりです。
・至極当然（しごくとうぜん）
……この上なく当たり前のこと。
・感謝至極（かんしゃしごく）
……より深く感謝すること。
・光栄至極（こうえいしごく）
……この上なく名誉に思うこと。
・祝着至極（しゅうちゃくしごく）
……喜びがこの上ないこと
このなかでは「感謝至極」の意味が恐縮至極と近いものの、恐縮至極よりも感謝の気持ちに重きを置いています。
適切な場面で恐縮至極を使おう
恐縮至極の意味は「この上なく申し訳のないこと」で、「ありがとうございます」との置き換えが可能な表現です。似たシーンで使える恐悦至極は、「つつしんで喜ぶこと」「相手への敬意を込めて感謝すること」を意味します。
似た表現であっても、それぞれの言葉でニュアンスの違いや重きを置いている部分の違いがあるため、使う際は注意が必要です。
使い方を間違えることのないよう、意味や似た表現との違いを理解して正しく使いこなしましょう。
構成／chihaya
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