アウトドアウェアやスポーツウェアなどを手掛ける、ゴールドウインの業績が絶好調です。
2024年4-12月の売上高は、前期比9.3%増の943億3,200万円でした。ゴールドウインは上半期の売上高を489億円と予想していましたが、4.5%上回って通過しています。
速乾性の高いTシャツや消臭・抗菌、UVカットなどの機能性の高いウェアが好調。秋冬シーズンのスタートも堅調としています。
ゴールドウインは、主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス」が業績をけん引していると見て間違いないでしょう。
増収幅が大きく目標売上を見直し
2024年3月期通期の売上高は、前期比6.9%増の1,230億円、営業利益は同3.2%増の226億円を予想しています。予想通りに着地すると、3期連続増収増益を達成します。
アウトドアといえば、スノーピークの業績に急ブレーキがかかっていることが話題になっています。ゴールドウインの好調ぶりは、アウトドアのギアとウェアで市況が異なることを見せつけました。
※決算短信より筆者作成
ゴールドウインは2021年5月に中期経営計画を発表しており、その中で2026年3月期の売上目標を1,250億円としていました。2024年3月期にはその水準に到達するところまですでに迫っています。
その後目標値を修正しており、2026年3月期の売上目標を1,490億円としています。
アウトドアカテゴリが売上全体の8割を占める
ゴールドウインの売上区分は3つに分かれています。パフォーマンス、ライフスタイル、ファッションです。パフォーマンスは登山、トレイルランニング、スイミングなどの本格的なスポーツウェアを扱っています。ライフスタイルは機能性の高いアウトドアウェアが中心。ファッションは流行を取り入れたスタイリッシュウェアです。
※決算説明と中期5ヵ年経営計画より
2023年4-12月の売上構成比率は、パフォーマンスが33.1%、ライフスタイルが59.1%、ファッションが7.9%でした。
主力のライフスタイルの売上が好調。2023年4-12月の売上高は、前年同期間比9.2%増の560億2,600万円となっています。
※決算説明資料より
ゴールドウインは、「ザ・ノース・フェイス」の他、ノルウェーの「ハリーハンセン」、イタリアの「エレッセ」、イギリスの競泳水着「スピード」など数多くのブランドを扱っています。
ブランドごとの売上構成比率を出していませんが、全体の6~7割はノースフェイスが占めていると考えられます。
その根拠として参考になるのが第69期の事業報告書。この中で、ブランド別の売上シェアを公開しました。ノースフェイスとハリーハンセン、エレッセなどのオウンドブランドとオリジナルブランドで売上の9割りを占めていることが分かります。
更に、ノースフェイスがあるアウトドアカテゴリが8割程度を占めています。
※第69期事業報告書より
ゴールドウインは、2016年12月にハリーハンセンとライセンス契約を結び、日本における商標権を取得しました。取得額は30億円。2016年の同ブランドの売上高として30億円を見込んでいました。
これらの情報を上の表に当てはめると、ノースフェイスとハリーハンセンの2つのブランドで、売上高の7割を占めていることになります。仮にハリーハンセンの売上高が2020年3月期に40億円程度まで拡大していたとすると、ノースフェイスが占める売上高は推定645億5,900億円で、売上高全体の65.9%となります。構成比として6~7割を占めていると予想できるのです。