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「心中お察しします」というフレーズは、使うシーンに迷うことがあるのではないでしょうか?相手に不幸や悲しい出来事があったとき、気遣いを表す表現です。
本記事では「心中お察しします」の意味や使う場面、自分がいわれたときの返答をご紹介します。
「心中お察しします」とは?
「心中お察しします」は、「しんちゅうおさっしします」と読みます。相手に悲しい出来事があったとき、気遣いを表すために使うフレーズです。
相手の気持ちを思いやる言葉ですが、使う相手を間違えると失礼にあたります。特に、目上の人に使うときは注意しましょう。
ここでは、「心中お察しします」の意味や正しい使い方を解説します。
■言葉の意味
「心中お察しします」の「心中」は、「心の内、胸の内」という意味です。「お察し」は「物事の事情などを推しはかって推察する」「相手を思いやる、同情する」という意味があります。
この2つの言葉を組み合わせた「心中お察しします」は、伝える相手の気持ちを十分に汲み取り、心から思いやっていることを表すフレーズです。
参考:デジタル大辞泉
■使う相手に注意
「心中お察しします」は、相手に不幸な出来事が起こったり困難な状況にあったりするときに使います。これらの状況について、相手から直接伝えられたとき以外には使わないようにしましょう。
第三者から聞いたり噂を耳にしたりしても、本人の口から伝えられなければ、本当の気持ちはわかりません。単なる憶測で「心中お察しします」と伝えるのは、相手に違和感を与える可能性があります。
相手が目上の人であまり親密な関係ではない場合、「心中お察しします」という言葉は「自分の気持ちがわかるのか」と反感を持たれることもあるでしょう。角を立てずに気持ちを伝えたい場合は、より丁寧に「心中お察し申し上げます」と敬意を表すことで、真意を伝えられます。
「心中お察しします」を使う場面と例文
「心中お察しします」を使う場面は、主に次の2つです。
・相手に不幸や悲しい出来事があったとき
・相手から不幸や悲しい出来事を聞いたとき
それぞれの場面で「心中お察しします」を伝えるときの例文をご紹介します。
■相手に不幸や悲しい出来事があったとき
葬儀の場など、相手の家族に不幸や悲しい出来事があったときには、次のように伝えます。
・突然の出来事にご家族の皆さまがどれだけお辛いことか、心中お察しいたします
・奥様に先立たれて、さぞやお力落としのことと心中お察しします
・予想もしない事故に遭われてお辛かったことと、心中お察しします
・今回は突然のことでさぞかし驚かれたと思います。心中お察しします
■相手から不幸や悲しい出来事を聞いたとき
「心中お察しします」は不確かな状況では使わず、本人から直接聞いたときに使うことが望ましいでしょう。相手から伝えられたときの例文は、次のとおりです。
・心中お察しします。辛い状況ですが、お気を落とさずに頑張ってください
・それは大変なことでしたね。しばらくは落ち着かないでしょう。心中お察しします
・心中お察しします。何かお手伝いできることがあれば、遠慮なくお申し出ください
・忙しいときに災難に遭われ、心中お察しいたします。どうか無理をなさらぬよう、お身体を大切にしてください
「心中お察しします」といわれたときの返し
相手から「心中お察しします」といわれたとき、どのように返事をするか困ったこともあるのではないでしょうか?
返事としては、心遣いへの感謝の気持ちを表す表現が適切です。
「心中お察しします」といわれたときの返事をみていきましょう。
■恐れ入ります
「心中お察しします」の返しとして無難なのが、「恐れ入ります」というフレーズです。「恐れ入ります」は、感謝の気持ちを敬意をもって示すときに使用する言葉です。相手に何かを依頼するときや心遣い、配慮をしてもらったときなどに使います。「恐縮です」も同じ意味合いです。
主に、目上の人から「心中お察しします」といわれたときに使うとよいでしょう。
返事をするときは、「お気遣いいただき、恐れ入ります」「恐れ入ります。ご心配をおかけしました」という使い方をします。
■お心遣いありがとうございます
相手の思いやりに対して率直に感謝の気持ちを表す返しとしては、「お心遣いありがとうございます」が適切です。目上の人に使うのに適しています。
「お気遣いありがとうございます」という表現もありますが、「お心遣い」はより丁寧な表現です。「お気遣い」はやや軽めのニュアンスがあるため、目上の人には使わないようにしましょう。