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意外と知らない「ご入用」の意味と正しい使い方

2024.03.25

ビジネスシーンで「ご入用」という言葉を口にする際、正しく使えているか、気になることはありませんか。

相手に必要な物を確認する際に使う言葉であり、基本的に、こちらにその用意があるときにしか使いません。「ご入用」の意味や使い方、言い換え表現をご紹介します。

「ご入用」とは

ご入用は、何かの目的のために必要な物事を指す「入用」という言葉に、尊敬の意味合いを示す「ご」が付け加えられている言葉です。必要な物があるかどうかを、相手に丁寧に尋ねる際に使います。

店頭で、「領収書はご入用でしょうか?」と尋ねられた経験がある人もいるでしょう。これは、「領収書は必要ですか?」と確認をする意図があります。

参考:デジタル大辞泉

■読み方は「ごいりよう」

ご入用は、通常は「ごいりよう」と読みます。そのほか、「ごにゅうよう」という読み方もあります。

ただし、口頭では「ごいりよう」と伝えたほうがよいでしょう。「ごにゅうようでしょうか?」と尋ねた場合、相手はすぐに意味を理解できず、困惑してしまう可能性があります。

参考:デジタル大辞泉

表記間違いをしないように注意

ご入用は、「ご入り用」や「御入用」と漢字表記することも可能です。その中でも、一般的にはご入用と表記することを押さえておきましょう。

まれに、「ご要用」や「ご要り用」と書かれることもありますが、これらは誤りです。「要る」は必要という意味があるため、このように表記してしまいそうになるかもしれません。正しい漢字表記ではないため、間違えないようにしてください。

「ご入用」の使い方

ここからは、ご入用の使い方を解説します。単語だけでは、実際の使い方がなかなかイメージできないこともあるでしょう。フレーズとしてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ご入用でしょうか?

「ご入用でしょうか?」は、「何か必要な物はありますか?」という意味です。目上の方やお客様に対して、そのまま尋ねるとやや不躾な印象を与えかねません。「ご入用でしょうか?」という表現を用いれば、失礼のないように尋ねられるでしょう。

ご入用でしたらお申し付けください

「ご入用でしたらお申し付けください」は、「もし必要ならおっしゃってください」という内容を丁寧に表現したフレーズです。同じ意味で「ご入用の際は~」という表現もあります。いずれも営業活動において、取引先などに対して使う表現です。

何かと入用で

「何かと入用で」は、何かと出費が多いことを表現するときによく使われる言い回しです。ご入用の「ご」は尊敬を表す接頭語のため、自分に対して使うのは適切ではありません。自分に対して使う際は「ご」を外し、「入用」と使います。自分に使う場合は、お金に関する内容が多いことが特徴です。

「ご入用」を使う際の注意点

ご入用を使う際の注意点は、主に以下の3点です。

  • こちらに用意があるときのみ使う
  • 目上の方に対して使用する
  • 「ご利用」や「ご用命」と間違えない

それぞれの内容を解説します。

こちらに用意があるときのみ使う

ご入用は、基本的に「相手に必要かどうか尋ねる物が、手元にある場合」に使うと考えてください。「私には用意がありますが、あなたは必要ですか?必要であれば差し上げますよ」という意味があるため、用意していないのに使うのは避けたほうが賢明です。

用意がない状況でも相手の意向を確認したい場合は、「ご希望の物はありますか?」というように、ご入用ではなく「ご希望」を使いましょう。

目上の方に対して使用する

ご入用を、尊敬を表す「ご」という言葉がついているため、同僚や部下、後輩など目上の方以外に使うのは適切ではありません。使うのにふさわしい相手は、取引先や上司などの目上の立場の方です。丁寧な意味だからといって、相手が誰であっても使うのは避けましょう。

「ご利用」や「ご用命」と間違えない

ご入用を使う際は、「ご利用」や「ご用命」と間違えないように注意が必要です。「レシートをご入用ですか?」と尋ねると、レシートが必要かどうかを尋ねることになるのに対し、「レシートをご利用ですか?」という問いは、レシートを使うかどうかを確認する意味になります。

レジでレシートを必要とするか否かを尋ねることはあっても、通常は「レシートを使うかどうか」と確認することはないため、「ご入用」を使うのが正しいといえるでしょう。

また、「ご用命」とは「言いつけ」や「注文」のことであり、「ご用命ください」は「どうぞ言いつけてください」という意味です。ご入用をご用命に言い換えることはできませんが、「何かご入用でしたらご用命ください」というように、併用して使えることを押さえておきましょう。

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