目次
見聞きすることが多い言葉でも、正しい意味や使い方を理解していないケースは珍しくない。「レギュレーション」は、そんな表現の一つだ。決められたことを指す言葉だと推測できるものの、実際に言葉を使う場面や対象物までは把握していない人が少なくないのではないだろうか。
そこで本記事では、「レギュレーション」の正しい意味や「ルール」「コンプライアンス」との違いを解説する。最後に紹介する業界ごとの「レギュレーション」の意味と使用シーン、類義語も、ぜひこの機会に覚えておこう。
「レギュレーション」とは
まず、「レギュレーション」の正しい意味から見ていこう。「ルール」「コンプライアンス」との違いもぜひ参考にしてほしい。
■ビジネスでは「社内規定」や「就業規則」を意味するのが一般的
レギュレーションは、英単語で法的・公的な規則や規定を意味する「regulation」が由来。
これにより、レギュレーションとは、ビジネスでは「社内規定」や「就業規則」など絶対に守らなければならない決めごとを意味する。また、業界や使用するシーンによって意味や使い方が異なるため、さまざまな使われ方を把握し、正しく使えるようにしておこう。
■「ルール」「コンプライアンス」との違い
レギュレーションと混同されやすい言葉に「ルール」と「コンプライアンス」がある。ルールは守るべき規則を意味するが、レギュレーションは公的に厳守しなければならない規則を指す。そのため、ルールのほうが守らなければならない意味合いが弱いといえるだろう。
また、コンプライアンスは、企業や団体などの組織が法令や規則を守ることを表すため、レギュレーションとは異なる意味を持つ。
業界ごとの「レギュレーション」の意味と使用シーン
次に、業界ごとにレギュレーションの意味と使用シーンを紹介する。自分が属している業界や取引先の業界で使えるよう、ぜひ理解しておこう。
1. IT・広告業界のレギュレーション
IT・広告業界のレギュレーションは、広告掲載時に決められているルールや守るべき規約を意味する。
使用シーンの一例としては、リスティング広告出稿時が挙げられる。各媒体が広告で使う画像サイズや文字制限、使ってはいけない言葉を定めており、それらを指す場面で「レギュレーション」が用いられている。
2. ゲーム業界のレギュレーション
ゲーム業界のレギュレーションは、TVゲーム・カードゲームやアミューズメント施設の参加・利用規約を指し、参加者が公平に取り組めるように定められている。
レギュレーションは、ゲーム業界ではルールや規約と同じ意味合いで使われやすい。ただし、参加者が多かったり、厳格に守らなければならない規約が存在したりする場面では「レギュレーション」が使われる。
3. スポーツ業界のレギュレーション
スポーツ業界のレギュレーションは、競技を運営するのに必要な規定や規則を指し、厳守するレギュレーションではなく守るべきルールの意味合いとして使われている。
使用シーンとしては、レギュレーションの違反行為をしていないか審判する場面が挙げられる。レギュレーション違反をすると、大会の出場資格を失うケースがある。
4. 建築設計業界のレギュレーション
建築設計業界のレギュレーションは、建物を立てる都市・町で定められているルールのことを意味する。
建物の高さや階数、安全対策などを確認する際に使われているのがレギュレーションだ。建物を設計したり建てたりする際には、地域のルールを守らなければ問題が生じる場合があるため、きちんとチェックする必要がある。
5. F1業界のレギュレーション
F1業界のレギュレーションは、レースの規定のことを指す。世界選手権では、スポーティングレギュレーションとテクニカルレギュレーションの2種類に分かれているのが特徴だ。毎年レギュレーションが変わるため、ファンの間では話題として取り上げられることが多い。
「レギュレーション」の類義語
最後に、レギュレーションと似た意味を持つ類義語を紹介する。言葉のバリエーションを増やすのに、ぜひ役立ててほしい。
1. 規則(きそく)
行為や手続きなどが行われるように定めた決まりのことを意味する。
【例文】
「学校の規則は守らなければならない」
「研修は規則が多くて息が詰まる」
2. 法令(ほうれい)
法律と命令のことで、条例や規則などを含めた内容を指すこともある。
【例文】
「法令に違反すると罰せられるのは当然だ」
「法令には従う必要がある」
3. 規定(きてい)
物事をある特定のかたちに定めることを意味する。また、定めた内容のことを表す。
【例文】
「規定の書式を教えてほしい」
「概念を規定するのは困難だ」
4. 規準(きじゅん)
思考したり行動したりするなかで、規範となる標準のことを指す。
【例文】
「判断の規準を決める必要がある」
「順序や規準の乱れは正すべきだ」
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部