地球を取り巻く環境変化により、日本のみならず世界のどの地域でも今までにない「環境ストレス」にさらされている。花王はこの「環境ストレスケア」に着目し、さまざまなストレスからの解放をめざす商品を展開している。
筆者が昨年の夏に3本リピートした「瞬間ミストUV」
2023年に発売したスプレー状のUVミスト「ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトミスト」(通称:瞬感ミストUV)が大ヒットした花王。ミスト状の日焼け止めを肌に噴射すると、ぴたっと密着し、広範囲に手早く日焼け対策ができるこの商品は、外出先でも手を汚さずに手軽にUVケアでできるとあって、女子のみならず男性からの支持も高く「DIMEトレンド大賞」でも日用品部門の金賞を受賞した。
ビオレガード モスブロックセラム
また、タイを中心とした東南アジア地域ではデング熱の被害が拡大していることをうけ、蚊からいのちを守る「ビオレガード モスブロックセラム」を2022年に発売。これまでは蚊が嫌う忌避剤を配合した商品が主流だったが、花王独自の技術によって「蚊がとまりにくい」蚊よけの開発に成功。これにより、ボディローションのような軽い使い心地を実現しヒットに。「蚊が止まろうとするとすべるらしい」という今までにない蚊のよけ方は、日本では未発売にも関わらずSNSで話題を呼んだ。
花王が2024年の春夏に向けて打ち出した「ビオレ Zero」シリーズ
そんな人々のストレスを軽減することに邁進する花王が、ビオレブランドで2024年に新しく提案するのが「ビオレZero」シリーズだ。 猛暑を快適に過ごすアイテムは、すでに数多く発売されているが、既存商品の多くが、汗は不快の原因だから汗を止めるべし!という方向で開発されている。この「ビオレZero」の新しさは「汗を止めない」こと。汗を止めずに快適さを実現するという、新発想のシリーズの発表会の内容を紹介していく。
汗は不快に感じることもあるが役立つ性質もあることに着目
一般的には嫌われ者の汗だが、体温の調整機能があることは多くの人がご存じだろう。もうひとつの汗の役割として、外界から肌を守るというものがある。例えば、手指の汗に含まれる乳酸には、感染症へのバリア機能があるそうだ。
しかし現代の夏は屋内外の温度差が大きくなり、エアコンの効いた部屋で過ごし、外に出る機会が減ると、1日の運動量も減る傾向に。そうして日常の運動量が低下すると、汗腺機能が低下し、ベタつきやムレなど、不快を増幅する汗に変化する。そしてますます汗は嫌われる…という悪循環に陥ってしまっていると指摘。
「汗の不快が人と社会の悪循環をひきおこす」という課題を「汗を快適にすることで人も社会も元気にしたい」というテーマで解決することにしたのだ。
「汗をベタつかない性質に変える」徹底解析にチャレンジ
汗の質を徹底解析してわかったことは、汗のベタつきは「汗に含まれる塩分や皮脂によるもの」であることだった。間違えがちなのが、実は皮脂そのものがベタつくわけではないということ。皮脂があることで、汗に含まれる水分が乾きにくくなり、粘度が高まるのがベタつきになるのだそうだ。
この結果から、汗の成分から塩分や皮脂を取り除くことで、水分を乾きやすくするという方向性が決定。そして生まれたのが「新技術 持続性パウダーヴェール」だ。
「新技術 持続性パウダーヴェール」は、皮脂を吸い込む「新パウダー 多孔質シリカ」をいかしたパウダーで、肌上にヴェールを形成。塩分や皮脂がすいこまれた汗(水分)は、乾きやすい性質になり、多孔質シリカの表面に広がることでさらに乾きやすくなる。