(3)入社イメージと入社後のギャップが退職意向につながる
現在の勤務先を就職先に決めた理由(以下、入社理由)を聞いたところ、1位「福利厚生が充実している」(回答率34.3%)、2位「給料が良い」(同29.3%)、3位「勤務時間や休日が自分に合っている」(同24.4%)となった。
(2)における勤続希望理由の上位3項目と入社理由が一致していることから、入社時の期待が現状において満たされていることが、勤続意欲の維持に影響していると考えられる。(図表E)
入社前の良いイメージ(入社理由)が入社後に悪化した(以下、入社後ギャップ)人の割合を調査したところ、およそ4人に1人が「入社後にイメージが悪化した」(同27.0%)と捉えており、中でも「男性」(同29.9%)、「新卒入社1、2年目」(同28.5%、同29.8%)、「売上高10億円以上、100億円以上」(同30.2%、31.4%)における回答率が高く、入社からの時間経過や会社の規模によって、入社後ギャップの感じ方が異なっていることが明らかになった。(図表F)
勤続意向と入社後ギャップの関連性について集計したところ、「入社後ギャップを感じている人の3年以内に退職」(同47.6%)は、全体(同40.9%)よりも6.7ポイント高くなっていることから、入社後ギャップが退職意向につながりやすいことが推察できる。(図表G)
(4) 退職希望者では、改善体質や人事制度への不満も
勤務先の「働き方への取り組み」について調査したところ、時代遅れと思う項目としては、「サービス残業」(同32.8%)が1位となり、2位「有給休暇が取得しにくい」(同26.8%)、3位「業務効率化が図られない」(同21.8%)と続いた。
上位3項目は、前回調査と同じ項目であり、特に「サービス残業」や「休暇の取りにくさ」に対して時代遅れと感じている若手社員が多い様子が表れている。
また、「業務効率化が図られない」、「賃金格差が埋まらない」、「人事制度が年功序列型」は、「3年以内に退職」における回答率が全体数値よりも高いことから、勤続意欲の低下につながりやすい項目であることが考えられる。(図表H)
調査概要
調査名称/第7回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査
調査方法/インターネット調査
調査エリア/全国
期間/2023年12月4日(月)~12月6日(水)
調査対象者/新卒入社1~3年目の男女個人
有効回収数/600サンプル
関連情報
https://www.riskmonster.co.jp/study/research/
構成/清水眞希