パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」から、2024年1月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」が発表された。本稿では、その概要をお伝えする。
2024年1月の概況
■転職求人倍率
2024年1月の転職求人倍率は、前月から‐0.42ポイントの2.80倍となった。求人数は前月比98.9%、前年同月比122.1%だった。転職希望者数は前月比113.8%、前年同月比101.8%という結果になった。
■求人数増加率
求人数は業種別では12業種(「その他」は除外)のうち、2業種で前月から増加した。最も増加率が大きかったのは「コンサルティング」(前月比115.2%)、次いで「建設・不動産」(前月比100.6%)だった。
職種別では11職種(「その他」は除外)のうち、「販売・サービス」の1職種で前月から増加(前月比101.1%)した。
調査結果の解説と今後の見通し
doda編集長 加々美祐介 氏
■2024年1月の解説〜求人数は高水準を維持。4月入社を目指した転職希望者が増加したため、転職求人倍率は下降
1月の求人数は、前月比で微減したものの、依然として高い水準を維持しました。微減した背景としては、昨年内で終了した求人があることや、一部充足し始めた募集ポジションがある等が重なったことが考えられます。
求人数の増加率が大きい「コンサルティング」では、DX推進や業務改善に対するコンサルティング需要が高く、引き続き増加が見られています。
一方で、転職希望者数は、例年4月の入社を目指して転職活動を始める人が増える傾向にあるため、増加しました。求人数は微減し、転職希望者数が増加したことで、転職求人倍率は下降しました。
■2月以降の見通し
2月の求人数は、年度内に採用を予定しているポジションの充足を目指し、企業の採用意欲は高止まりが予想され、横ばい、または増加が見込まれます。
転職希望者数も1月に続き新年度に向け転職活動を始める人が多くなり、例年どおり増加する見込みです。転職希望者数のほうが求人数より大きく増加し、転職求人倍率は下降すると推測されます。
doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。
<算出式※:求人数(採用予定人員)÷転職希望者数>※分子・分母はdoda独自の定義により算出。
関連情報
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/
構成/清水眞希