確定申告における具体的な課題は「作業時間の確保」が最も多い
確定申告の具体的な課題として、「作業時間の確保(19.2%)」が最も多く、以降は「申告書の作成(18.0%)」、「e-Taxの操作方法(15.5%)」、「帳票の作成、整理(14.5%)」が続いた。
また、確定申告の提出方法によって、課題が異なる傾向が見られる。令和4年分確定申告を紙で提出した事業者の課題は1位「申告書の作成(24.5%)」、2位「作業時間の確保(23.5%)」となったのに対し、e-Taxによる提出を選択した事業者では1位「e-Taxの操作方法(30.6%)」、2位「作業時間の確保(19.1%)」となった。
e-Tax利用者は、「申告書の作成」に対する課題が、紙で提出する事業者に比べ10.1pt低い14.2%の回答となっている。
e-Tax利用により、16.0%の事業者が3時間以上の時間節約効果を実感
「e-Taxの利用が時間節約になった」と回答した事業者は65.1%となり、中でも「3時間以上の短縮になった」と回答した事業者が16.0%に上った。
また、令和4年分の確定申告をe-Taxで行った事業者は、確定申告の課題として「申告書の作成」を挙げる割合が14.2%と、紙で提出した事業者の回答よりも10.1pt低い結果となった。
「作業時間の確保」についても同様に、課題に感じる割合が紙での提出よりも4.4pt低い結果を示しており、e-Taxの利用は、確定申告業務における負担軽減に役立つものと見られる。
e-Taxは一定の浸透も、対応へのハードルを感じる事業者もいる
令和4年分確定申告は行わなかった事業者の、令和5年分確定申告の提出方法に予定ついては1位「e-Taxでの提出(41.1%)」、2位「紙による提出(26.0%)」となっている。
また、令和4年度の申告を紙で行った事業者のうち、5.2%が令和5年分をe-Taxで提出する意向を示した。前述の通り、e-Taxの利用意向は高止まり傾向であるものの、今後もe-Taxを選択する人は増えることが予想される。
一方、e-Taxを利用しない理由については、1位「紙での提出が慣れている(48.8%)」に続き、「e-Taxが難しそうだから(20.8%)」「e-Taxでの申告のやり方がわからないから(14.4%)」が挙げられている。
「ICカードリーダーを買いたくない(13.0%)」という、制度への誤解がハードルとなっている例も見受けられた。
●総括
バックオフィス業務に限らず、様々な場面でデジタル化の必要性が強調されているが、今回の調査は確定申告のデジタル化に向けた課題感が伺える結果となった。
紙による提出に課題を感じていない事業者も一定数いると見られ、e-Taxの全面的な普及には利便性のさらなる向上や、正しい理解の浸透が鍵となりそうだ。
出典元:弥生株式会社
構成/こじへい