学歴社会の必要性
回答者全体の629人に学歴社会の必要性を聞くと、「必要だと思う派」が66.0%で過半数を占め、内訳は「とても必要だと思う」8.2%、「必要だと思う」19.2%、「どちらかといえば必要だと思う」38.6%という順になった。
年代別の回答では20代の「必要だと思う派」が73.9%で最多となり、次いで30代が68.8%、40代が59.5%、50代が57.3%だった。
■学歴社会への賛否とその理由
回答者全体の629人に学歴社会への賛否を聞くと「賛成派」が66.9%で過半数を占め、内訳は「とても賛成」12.2%、「賛成」12.9%、「どちらかといえば賛成」41.8%だった。
学歴社会に賛成と回答した421人にその理由を聞くと「業界/職種への適応力の判断材料になるから」が47.3%で最多となり、次いで「自分が学歴のためにがんばった経験があるから」が39.0%、「若手の活躍機会になるから」が22.1%という順になっている。
調査結果まとめ
式会社ライボ コミュニケーション戦略部 部長
広報グループ長兼「Job総研室長」 堀 雅一氏
今回実施した「2024年 学歴とキャリアの実態調査」では、全体の8割が「学歴はキャリアに関係する」と回答し、関係する理由として「社会的信用やステータスアップ」や「学歴で判断する企業の多さ」、「希望する仕事への影響」が上位回答となりました。学歴が関係する場面では、全体の8割が「就活時」と回答、具体的な場面では「書類選考時」が最多となりました。
また全体の5割が自分以外の学歴を「意識する」と回答し、意識する相手では「同僚」が最多となっています。これらの結果から、学歴とキャリアの関連性は高く、学歴を意識する相手が同僚であることからも、就職活動時には競争力が必要と捉えられていることが見受けられます。
さらに、学歴社会への賛否を聞くと、全体の7割が「賛成派」を示し、その理由では「業界/職種への適応力の判断材料」や「若手の活躍機会」など、企業目線での意見が目立ったことに加え、「学歴のためにがんばった経験がある」など、個人の経験に基づく価値観も見られました。
そして全体の6割が「学歴社会は古い」と回答しているものの、全体の7割が「学歴社会は必要」と回答しています。個人視点では“学歴社会”は古いとされているものの、採用や采配の観点では一定必要性を感じざるを得ない状況が、賛成理由・必要性・価値観の結果から推察できます。
必要性と価値観を年代別で見ると、年代が上がるにつれて「学歴社会は古い派」の割合が高くなり、50代が最多となっています。しかし「学歴社会の必要派」は20代が最多と、年代が下がるほど学歴を強く意識していました。
年代が上がるにつれて学歴意識が低くなる傾向には、就職活動時期が”学歴フィルター”という言葉の定着前後か否かが関係していると考えられますが、それ以上に影響を及ぼしているのは”社会人歴”であると考えられます。経験を積むほど、キャリアを築く上で学歴以外の要素の必要性を感じていくことができるため、学歴へのこだわりも薄くなっていくと推察することができます。
40、50代の”学歴社会への価値観”が新しいものになり、今後の日本社会の風潮が変わっていく可能性も読み取れますが、学歴社会の必要性を20代が最も感じ、価値観を受け入れている状態を踏まえると、今後も日本における学歴社会の継続及び更なる浸透も予測できる調査結果となりました。
調査概要
調査対象者/現在職を持つ社会人でobQ Town登録者
調査条件/全国の20~50代男女
調査期間/2024年1月24日~1月29日
有効回答数/629人
調査方法/インターネット調査
関連情報
https://job-q.me/articles/15538
構成/清水眞希