実際にプレイしてみて面白さに脱帽
このゲーム、雑談を交えながら遊んでいるうちに、怒りにくくなるための気付きを得られるというが、実際に仲間を集めてプレイしてみた。
筆者は、ふだんは複雑なゲームをすることが多いため、「こんなにシンプルなゲームで楽しんでいただけるかな」という心配があったが、それは杞憂に終わった。正直、びっくりするほど盛り上がった。
ゲームの奥深さの肝になるのは、当てっこをしたあとに繰り広げられる会話。参考までに、その時のもようを一部抜粋してみよう。
Aさん:「大事な接待だというのに、後輩が料理が出てくるたびにスマホで撮影している」だなんて、そりゃ怒るでしょう。友達同士の集まりだったらいいけど、これは接待でしょ。場をわきまえないで、部下が勝手に料理の写真を撮ったら怒るのは当然と思います。後輩のためにも、ここは怒ってあげないと、上司として自分が悪いかなと思う。
Bさん:そうそう。どうでもいい部下だったらわからないけれど、育てていきたい人材であれば、怒らなきゃいけない。でも、いろいろなお題をやっていくと、自分の怒りの傾向みたいなのもわかってきますね。
Cさん:みなさん、怒りのポイントが違っていて面白いですね。このゲームは、部署が違う知らない人同士がやると面白そう。付き合いの長い人だと、どんなことに怒りやすいかが、すぐ推測できてしまうので。あ、でも、よく知っている人でも、怒りについては別の面が見えてくる意外性も楽しいかもしれませんが。このゲームで親睦が深まるし、これを素材にして怒りに関するセミナーがあってもいい。
今回のゲームを観戦した筆者の視点では、参加者たちはゲームを単に楽しんだだけでなく、雑談のテーマとなりにくい「怒り」について話し合うことで、多くの気づきを得られたようだ。
1人で行うアンガーマネジメントにくわえて、このゲームで遊んでみると、いらいら解消効果は高まるはず。最近、なにかとイラっとすることが多い方は、試してみてはいかがだろうか。
取材・文/鈴木拓也