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食べられるカニの甲羅、酒粕を使ったマヨネーズ風調味料、最新の代替フードが提案する新しい付加価値

2024.02.17

かつてはどこか縁遠い印象を持っていた代替食だが、最近ではコンビニやスーパーでも大豆ミートを使ったハンバーグやサンドイッチなどを見かけるようになった。他にも、ツナやマグロなど、水産代替品も次々に生まれている。これらを実現できたのは、技術革新だけでなく、これまでにないものを形にしようと行動する“人”の力が大きい。今回は、そんな熱き想いとイノベーションで誕生した、食べられるカニの甲羅と、通常廃棄されてしまう酒粕を使ったマヨネーズ風調味料を紹介する。

ゴミが出ない”食べられる”カニの甲羅

カニの甲羅盛りに甲羅グラタンなど、今が旬のカニ料理を楽しむための名脇役と言えるカニの甲羅。実は器に使われるカニの甲羅の多くは、韓国からの輸入品。近年、不漁や値上げ要望のストライキにより価格が高騰し、日本国内では品薄状態になっているという。そんな危機をチャンスと捉え、青森県の宝成食品株式会社が環境に優しい、”食べられる”カニの甲羅を開発した。

2009年、青森県八戸市に創業した宝成食品株式会社は、ズワイガニ、エビ、ホタテなどの加工・製造・販売や飲食店の経営などを行なっている。主力商品は、ズワイガニ関連製品で、売上げの約6割を占めるという。本ずわいがにのみそと蟹身を使用した「わっつりかに甲羅盛り」や、「本ズワイガニ」をこれでもかと甲羅に盛った「ずわいがにの贅沢盛り」など、カニの甲羅を使った商品も多い。しかし、2023年、カニの甲羅を使った商品の製造が停止となった。その理由はカニの不漁。器に使われるカニの甲羅のほとんどは韓国からの輸入品。不漁や値上げ要望のストライキにより、入荷や値段が安定せず、ついに昨年は商品の製造を断念せざるを得なかった。

そこで、同社の代表取締役の河村さんが「輸入に頼らず、より付加価値の高いものを」と、考えたのが「食べられるカニ甲羅」だ。自社で製造できればコストもさがり、安定して供給が可能となる。ゴミも出ないため環境にも良いと、2023年1月、「食べられるカニ甲羅」の商品開発が始まった。

河村さんは食べられるカニ甲羅をつくるべく、取引先や付き合いのないメーカーにも声をかけてみたが、どこからも芳しい返答はなかった。頭を抱えていたところ、唯一「面白い」と興味を持ってくれたのが、大阪にある北村製作所だ。北村製作所はアイスクリームのコーンや最中の皮を作る製造機械のメーカーである。難しい仕事ではあるが、「今年中に機械を納められるようやってみましょう」と引き受けてくれたという。

見た目だけでなく香りも「カニ」に!

まず着手したのが甲羅の「型」づくり。普段仕入れているカニの甲羅と同じサイズのベニズワイガニの甲羅を原型とし、3Dプリンターを使って石膏の型をつくった。

商品を開発するにあたって一番苦戦したのは、この型に流し込むための生地だったという。食品をのせる器として使うため、水分に強いことが絶対条件だった。最初に試した米粉は水分に弱く、食品の水分を吸って柔らかくなってしまった。さまざまな原料を試し3ヶ月後、辿り着いたのが、小麦粉とコーンスターチだった。厚みを少し加えたことで、耐久性の問題もクリアできた。ここでできたのは、甲羅型をした最中の皮のようなものだった。

さらに河村さんは、形や色などの見た目だけでなく、香りも「本物のカニ」のように仕上げることにこだわった。甲羅の見た目により近づけるため、合成着色料を使用するのではなく、パプリカ色素を使用して着色し、イセエビのペースト等を入れることで、焼いた時にはカニの香ばしさと風味がでるように仕上げた。「試食した社員やお取引さまは、『こんなに美味しいとは!』と驚いていました。カニやエビのスナックのような美味しさなんです」と、見た目・香り・味、全てにおいて納得できるものができたようだ。

「食べられるカニ甲羅」の開発に着手してから一年、その甲羅を使った商品「器ごと食べる SDGsな かにグラタン」が誕生した。贅沢に「本ズワイガニ」の脚肉を使用し、濃厚なクリームソースと合わせ焼き上げた。

「器ごと食べる SDGsな かにグラタン」4個入 2,400円(税込)
https://andfish.jp/product/product_hoseifoods1/

今後は、今回の技術を応用した商品開発だけでなく、他メーカーにも展開することで、持続可能な水産加工事業を目指すという。

「ありがたいことに、今回開発した食べられるカニ甲羅は、様々な分野の方々からお問合せをいただいています。すり身業界やアイスクリーム関係、お菓子業界と水産業にとらわれず、多様な展開の可能性を感じています。これまで蟹の甲羅に悩まされていた課題を活かし、新たな商材として展開させていきたいです。また、青森の名産であるほたてに着目し、今後は地域性の高いほたて貝型を製造し、グラタンをはじめとする県産原料を使用した加工品の開発にも努めていきたいです。」(宝成食品株式会社 代表取締役 河村さん)

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