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〝オンデバイスAI〟を体現した最新ハイエンドスマホ「Galaxy S24」シリーズは何がスゴいのか?

2024.02.20

Galaxy S24の日本発売はいつ?

房野氏:Galaxy S24に話を戻すと、日本発売はいつごろになりそうですか?

法林氏:グローバルの発表が早かっただけじゃないかな。日本ではキャリアが採用すると思うので、昨年と同じ4月末くらいになると思う。

石野氏:日本では3月にスマートフォンを販売しても、あまり売れませんからね。

法林氏:そう。製品の良し悪しや日本版の準備にかかる時間じゃなくて、携帯電話会社とメーカーが相互に納入と支払いがやりやすい時期かどうかが重要なので、2月や3月の販売開始は難しい。

房野氏: FeliCaを搭載すると思いますが、それ以外に、日本仕様で特別なカスタマイズはありますかね。

法林氏:そんなにないと思いますよ。Ultraモデルはもともとミリ波に対応していますしね。日本版のノーマルモデルはミリ波非対応ですが、そもそも普通に使う分には、ミリ波が果たして必要かという話でもあります。

Galaxy S24 Ultraはチタン合金フレームを採用

房野氏:あと、Galaxy S24 Ultraは本体の素材も変わりましたね。

法林氏:チタン合金フレームだね。

房野氏:金属素材を採用すると、アンテナの配置が難しくなるという話もありますが、問題ないのでしょうか。

石野氏:もちろん、影響はあります。なので、側面にスリットを入れています。

法林氏:Galaxy S24もミリ波対応で国内販売するなら、窓みたいなスリットが側面につくと思います。

石川氏:指紋認証センサーみたいなデザインのやつですね。

石野氏:ミリ波の場合、アンテナ部分を手で握るだけで、電波が減衰してしまいます。なので、どのような握り方をしても、各方面から電波を傍受できるように、工夫して設計されています。

法林氏:5Gの商用サービスがはじまる前に、MWCのクアルコムブースでデモを見たことがありますが、送信用と受信用のアンテナの間に手をかざすだけで、電波が届きにくくなっていました。ただ、電波は反射するので、建物などで反射したものを、いろいろな方向から集めて受信するようになっています。

房野氏:その場合、多少なりともラグが発生してしまうことはないでしょうか。

法林氏:そこは合成して、チップなどで制御する。

房野氏:ミリ波はアンテナのサイズ自体は小さいはず。でも、実装が難しいのはなぜですか。

法林氏:難しいわけではないんですよ。

石野氏:コストがかかるという話。

法林氏:アンテナで信号を受けたらすぐに、高速通信ができるというわけじゃないからね。Ultraモデルでミリ波に対応しているのは、車で例えるなら、ハイオク対応みたいなことです。

石野氏:もともと本体価格が高いので、ミリ波対応だけで大幅に価格が上がるわけじゃない。あと、Ultraモデルのほうがヒートシンクが大きいので、ミリ波でガンガン通信しても、本体を冷やしやすいといった考え方もあります。

法林氏:今回のGalaxy S24シリーズは、Galaxyユーザーにとっては悩みどころ。Galaxy Z Fold5を使っている人がGalaxy 24 Ultraに乗り換えたくても、分割支払いはまだ残っている、そんなタイミング。僕は、Galaxy Z Fold5シリーズ用の車載ホルダーを車に設置しているし、Galaxy S24 Ultraの購入は、ちょっと悩んでいます。

石野氏:僕もGalaxy Z Foldシリーズを使っていて、こっちを主力モデルとして考えてしまうから、Galaxy S24シリーズはコンパクトなノーマルモデルの方がいいなと思っちゃいますね。

房野氏:もしGalaxy S24に買い替えるとしたら、どこがポイントになりますか。

法林氏:AIは、使いたい人はどうぞという世界。端末で見ると、いまGalaxy S21シリーズあたりを使っている人が、買い換えのメイン層になるんじゃないかな。

石川氏:機能面では同時翻訳がとにかく便利なので、外国人と会話をする機会がある人は、ぜひ買い替えてほしいです。多少ラグがあっても、海外でレストランの予約ができるし、タクシーも呼べる。

石野氏:タクシーも呼べるとなると、買わないとだめですね(笑)

法林氏:でもさ、それって結局、今後のPixelでも使えるようになるでしょ?

石野氏:うーん、どうですかね?

石川氏:使えるようになると思う。

法林氏:そもそも、サムスンもGoogleも個別でやっていると言っているけど、協業している部分も多いと思う。

石野氏:Googleの最新AI「Gemini」がモデルなので、共通している部分が結構ありますしね。

房野氏:iPhoneユーザーの買い替え先になる可能性はありますか。

法林氏:iPhoneユーザーは、iPhoneに乗り替えるでしょ?(笑)

房野氏:とはいえ、iPhone 15シリーズでも値上げしていますし、iPhone 16シリーズを待たずして、Galaxy S24を買う可能性はないですかね?

石野氏:iPhone 15にそっくりなデザインでもありますしね(笑)、もはや、狙ってデザインを寄せている可能性もあるかも。

法林氏:ただ、iPhoneとGalaxyはカメラ機能の考え方が違う。どっちがいいという話ではないけれど。動画に関しては、iPhoneがかなり頑張っているけれど、何せiPhone 13 Proシリーズ、iPhone 14 Proシリーズは本体が重すぎる。iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxは軽くなったけどね。

房野氏:質量で比べると、Galaxy S24 Ultraが約233g、iPhone 15 Pro Maxが約221gで、iPhoneのほうが軽くなっていますね。

石野氏:Galaxy S24 UltraはSペンも搭載しているし、本体も大きいので、どうしても質量はかさみますよね。

石川氏:今すぐiPhoneからGalaxyに買い替える必要はないかもしれませんが、2024年に登場が予測されるiOSは、RCS(Rich Communication Servicesの略。SMSやMMSの延長線上に位置づけられるメッセージングサービス)に対応する噂があるし、Androidはファイルのシェア方式が変わったりするので、今年はiPhoneとAndroid間での乗り替えの垣根が若干低くなりそう。そういう意味では、今年の後半は、OS間の乗り換えがしやすくなるタイミングかもしれません。

房野氏:価格面で見るとどうですか?

法林氏:iPhoneは安くならないからね。安くなるとしてもiPhone SEシリーズです。

石野氏:Galaxy S24 Ultraは1299ドル。日本モデルは、20万円を超えるはずです。2023年のモデルも20万円を超えていますしね。

法林氏:ストレージ容量にもよるけれど、去年の感覚で言うとiPhoneのPro MaxとGalaxyのUltraだと、Galaxyのほうが、若干出費を抑えられる。一方で、ノーマルのGalaxy S24は比べる対象を何にするかが難しい。iPhone 15 Proと比べるとGalaxy S24の方が安価だけれど、iPhone 15に比べるとiPhone 15の方が安い。iPhone 15の対抗モデルは、どちらかというと、Galaxy A54とかになります。

Galaxy A54

石川氏:あと、2024年2月9日にauよりGalaxy S23 FEが販売開始された。

Galaxy S23 FE

房野氏:Galaxy S24 Ultraは、ストレージが最大1TBですね。

石野氏:そんなにいらないですけどね。

法林氏:以前iPhoneで1TBモデルを買ったけど、本当に使わない。

石川氏:あれはお金がある人のためのものですよ。

石野氏:富裕層エディション(Fuyuso Edition)でFEです(笑)

法林氏:大きくても512GBで十分だよね。動画配信をするといった使い方なら1TB使い切るかもしれないけれど、日常生活では基本的に余剰。

石野氏:RAWデータで写真を撮ったり、ProResモードで動画を撮ると、驚くほどの大容量になります。ProResモードとかは、本当に映画を撮影する時に使うようなものですからね。

房野氏:GalaxyとiPhoneの話題で言うと、年間の販売台数でiPhoneにGalaxyが抜かれたというニュースがありました。

法林氏:調査によって数字が異なるので、どれを正解とするかは議論の余地がある。一応、あまり人気がないと言われているiPhone 15シリーズが、Galaxyの販売台数を上回ったというニュースが出ていましたよね。ただ、2023年のスマートフォン市場全体の売上は3割ほど減っている。安いモデルや旧モデルをラインアップする会社のほうが、売上で少し有利だったのかな。

石野氏:新型iPhoneがデビューする四半期で、アップルの売上が上位になったことはままありましたが、年間でGalaxyよりiPhoneが売れたのは、恐らく初めて。これはちょっと衝撃でしたね。市場全体の調子が悪い中で、根強いファンがいるiPhoneは売上の数字が落ちないけれど、Androidは厳しい。

石川氏:iPhoneユーザーは、次もiPhoneという人がほとんど。でも、Androidユーザーはメーカー間で機種変更をする。Pixelが頑張っているから、じゃあそっちに乗り換えようという人が出てきます。

法林氏:日本はやっぱり、iPhoneの人気が根強い。iOSからAndroidプラットフォームに変わっても、若い世代は自分で使いこなせるだろうから、Androidに移る人もいるけれど、一定以上の年齢になると、日常的に使うものの変化には、ちょっとしたエネルギーが必要になる。あとiPhoneユーザ-は、高騰を続ける価格に対する進化の少なさに、どこまで耐えられるかが、ポイントでしょうね。

……続く!

次回は、三菱商事・KDDI・ローソンの資本業務提携契約締結について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/佐藤文彦

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