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〝オンデバイスAI〟を体現した最新ハイエンドスマホ「Galaxy S24」シリーズは何がスゴいのか?

2024.02.20

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回はグローバルモデルが発表された「Galaxy S24」シリーズについて会議します。

2024年ハイエンドスマホを占う「Galaxy S24」シリーズ登場! キーワードは〝オンデバイスAI〟

石野氏:Galaxy S24シリーズは良かったですね。

石野氏

房野氏:私は絶対買いたい。

房野氏

石野氏:僕は去年、発表イベントの「Galaxy Unpacked」を現地で取材しましたが、行くのは今年にすればよかった(笑) ちょっと後悔しています。

石川氏:ノーマルのGalaxy S24は、デザインがiPhoneに近くなりましたね。

石川氏

房野氏:今年のGalaxyも、Ultraモデルが印象的でした。Galaxy SシリーズはやっぱりUltraモデルが特徴的です。

石野氏:デザインが変わったのはノーマルモデルだけど……ってことですね。

石川氏:ノーマルモデルを買うなら、iPhoneでいいやと思われるかもしれません。

石野氏:カラーバリエーションまでiPhoneに近いですからね。

法林氏:みんなは、今年のGalaxy S24シリーズ見て、いいと思った理由はどこ?

法林氏

石野氏:そうですね。AIはやっぱりすごいなと思いました。ノーマルモデルは、小さくて軽くて、持ちやすいです。あと、個人的には、ボイスレコーダーに文字起こしAIが搭載されたのがうれしいです。これまでの10分制限がなくなったのに加えて、AIで要約までしてくれる。Pixelのボイスレコーダーより優秀ですよね。

石川氏:いずれPixelもそうなるよ。

石野氏:そうなんですけど、PixelはProモデルを売りたいから、ノーマルモデルでもできるのに、あえて対応しないみたいなこともあるんですよね。現時点で、Pixelを超えてきたのはすごいなと。

石川氏:ただ、Googleにそこまで依存していいのかなとも思う。マイクロソフトのAIでGalaxy AIを作っていれば、もっと面白いものができていたかもしれないとも思ってしまいます。

石野氏:1つあるのは、今回Galaxy AIには「Google Gemini」が採用されていて、一部はクラウドで処理しています。Googleとしては、ショーケース的に大量採用してくれるところ、象徴的な搭載デバイスが欲しかったはずですし、本来であれば、文字起こしの要約機能は、使用ごと文字ごとにいくらっていう利用料金が発生するはずです。ユーザーに対して今は無料で提供しているようですが、2024年末まで無料と記載されているので、その後どうなるかはわかりません。

 Googleとしては、クラウドサービスの一環として儲かる可能性がある。Googleも縦割りの会社なので、デジタル部門があって、クラウドの部門がある中で、今回はクラウド部門がサムスンと協力している形。そうなると、Pixelを凌駕するAI機能を搭載していく可能性もあります。例えば、Pixelの編集マジックは、人を動かすくらいしかできませんが、Galaxy AIだと斜めになっている人の角度を調節するといったところまでできます。

石川氏:あと、写真撮影時に窓に映り込んだものも、解析したうえで、消すかどうかの提案をしてくれます。Googleが開いた道ではありますが、AIでいろいろなサポートをしていくのは面白いですよね。

法林氏:飛行機の窓から夜景を撮影した際の映り込みを消す、といった使い方はリアルなユースケースなので、うまくハマればあり。ただ、やることはPixelと似てくるんだろうなとも思います。石野君もそうだけど、昨年登場した「Galaxy Z Fold5」を買って、こんなスリムな折りたたみモデルが出たんだって感動していた人が、すぐにはGalaxy AIを体験できない。これはちょっとつらいところがあるよね。

Galaxy Z Fold5

房野氏:搭載チップが違うから、Galaxy Z Fold5ではGalaxy AIが使えないのでしょうか。

法林氏:将来的には使えるようになるけれど、利用できる機能はモデルによって差が出ると思います。Galaxy S24シリーズに搭載されているSnapdragon 8 Gen 3は、AI機能を強化しているので、Galaxy Z Fold5に搭載されているSnapdragon 8 Gen 2だとできないこともあるはずです。

石野氏:音声翻訳機能はオンデバイスで処理が可能なモデルの小さいGemini Nanoを使っていますが、レコーダーやSamsung Notesの要約は、クラウドを使うGemini Proを使っている。オンデバイス処理とクラウドをハイブリッドに活用しているイメージです。生成AIでの編集もクラウドですね。サムスンはオンデバイスAIを強調していますが、GoogleのプレスリリースはGoogle Cloudから出ているんですよね。なので、Galaxy S24シリーズは、オンデバイスといいつつ、結構クラウドも活用しています。

房野氏:ユーザーからすると、オンデバイスでもクラウドでも、違いはわからないですよね。

石野氏:そうですね。区別がつかないように仕上げられていて、それがGalaxy AIという形でラッピングされている。ただし、オンデバイスを強調しても、やっぱり処理能力が求められるものにはクラウドが必要だよねとは感じました。

石川氏:オンデバイスとクラウドそれぞれにメリットがあるので、うまく使い分けていくことになる。クアルコムの人が以前、これからスマートフォンは、AIの賢さで選んでいくと話していました。ハイエンドモデルにはサクサク動くAIを搭載し、エントリーモデルはちょっと性能の低いAIが搭載されるといった感じですね。

石野氏:実際に買って使ってみたら、文字起こしが抜けだらけだったら、ガッカリしそう。

房野氏:精度次第ですよね。

石野氏:Pixelも、新しいモデルのほうが熱暴走しにくいですしね。数年前のモデルは暑いところで動画撮影をしていると、だんだん挙動がおかしくなったりします。Galaxy S24の生成AIで面白かったのが、動画撮影時にないフレームを生成して、スローモーションにするというもの。前後のカットがあるから生成しやすいし、この方法でスローモーションはできるよなと感心しました。

石川氏:アイデア勝負になるよね。そういう意味では、サムスンは強いかもしれない。

石野氏:逆に言うと、日本メーカーはちょっと心配です。

法林氏:日本メーカーで言えば、シャープはいろいろAIでチャンレンジしているけれど、ソニーは画質を追求するといった方向性なので、今後どうなるかはわからない。

石野氏:Xperiaはプリインストールアプリにボイスレコーダーすら用意されていないですからね。ちょっと、ビジネスツール的な使い勝手を軽視しているかもしれません。

房野氏:AQUOSもボイスレコーダーアプリがプリインストールされていませんね。

石野氏:そうなんですよ。iPhoneもボイスメモアプリを長きにわたりプリインストールしています。Xperiaには一応、Music Proっていう録音アプリがありますけれど……

法林氏:あれはギターを弾いたりする人のためのものだから(笑)

石川氏:しかも、10分の録音制限があるので、ちょっと使いにくい。

石野氏:スマートフォンのユーザーで、音楽を収録する人と会議などを録音する人、どっちが多いのかという話ですよ。

石川氏:そこを割り切っちゃうのがソニーでしょ(笑)

房野氏:趣味に重きを置いていますからね。

石野氏:クリエイターには寄り添うのに、ビジネスパーソンにはあまり寄り添ってくれない(笑)

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