3. 片付け業者への依頼理由1位「体力的な要因」はユーザーの半数が回答
片付け業者への依頼を検討するに至った背景について聞いたところ、「体力的に自分で対応することが難しいと感じた」が55.7%とユーザーの2人に1人が回答した。「精神的」な理由が38.6%、「技術的」な理由が37.1%と続く。「何から始めるべきか分からないので一旦相談したい」という回答も35.7%となった。
依頼検討の背景についての自由回答では、「体力的」と「技術的」などいくつかの理由や背景が複合的に絡み合う様子が読み取れる。
●自由回答の抜粋
・怪我をしてからやる気がなく、物も多くて、どこから手をつけてよいのかが分からない
・高齢の両親が空き部屋に物を詰め込みすぎて手に負えない状態
・精神障害を持っており、自力で片付けが出来ないと思った
・整理整頓が苦手で部屋をかたづけることができないため
■高齢者やお体に不調がある方、片付けが苦手な方は無理せず業者にご相談を!…長谷川正芳氏のコメント
少しの家財であれば高齢者やお体に不調がある方でも、ご自身で片付けを行うことは可能ですが、住まい全体の片付けともなると、かなりの体力や時間が必要です。一口に処分といっても自治体ごとにルールが設けられており、片付け以外に仕分けや分別にも労力がかかり、何日もかけて作業することになるため、集中力が切れて途中でケガをしてしまう可能性があります。
また、物が多すぎて途方にくれ、片付けを進めること自体が嫌になるケースも少なくありません。最近では、「お仕事などの影響で精神的に追い詰められて片付けに手がまわらない」、「もともと片付けが苦手」ということで依頼を検討する方も増えています。身体の状態に不安や片付けの苦手意識がある場合は、ご自身だけで無理に解決しようとせず、業者へ見積依頼だけでもしてみてください。
4. 依頼予定の間取りは「4LDK以上」が最多、広さと依頼ニーズに相関性はなし
片付け業者への依頼予定の間取りについて聞いたところ、「4LDK以上」が25.2%と最多、「1R・1K」(20.6%)、「3DK」(16.8%)、「2DK」(15.0%)。「3LDK」(9.4%)という結果になった。依頼ごとでの間取りには際立った特徴がない結果となり、部屋の広さと業者依頼検討の相関関係はあまりないことがわかる。
■お部屋の広さに関わらず業者依頼は可能。立ち合いが難しいご実家の片付けも相談できる…長谷川正芳氏のコメント
近年、核家族化やライフスタイルの変化に伴い、家事代行など家の中の作業に関するさまざまなアウトソーシングが登場し「片付けにおいても業者へ依頼する」という考えの方が増えてきています。お部屋が広いからと言って依頼するというよりは、お仕事や育児、介護が忙しいことにより時間が取れず、業者を検討されているように見受けられます。
今回の調査では、「2DK」の割合が15.0%を締めています。現在の物件ではあまり見られない「2DK」の方が多い背景には、1980年代に浸透した団地などに多い間取りであることが考えられます。高齢のご両親が団地などにお住まいで、お子さんが生前整理や遺品整理として依頼するケースも多いです。片付け業者の中には見積もり時の立ち会いのみで作業日は立ち合い不要という事業者も多いです。遠方のご実家だからと諦めず、ぜひいくつかの業者に相談してみてください。
●一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏 プロフィール
ペット産業・建築不動産業を経験し、現職に至る。現在は一般財団法人遺品整理士認定協会で遺品整理の現場や対応方法について、専門家を育成すべく「遺品整理士養成講座」を開講。ご遺族に寄り添う遺品整理士を育成し、遺品整理業界の健全化のため、活動を進める。
<調査概要>
調査期間:2023年12月1日〜12月27日
対象:期間中「みんなの遺品整理」サイトに訪問した全国のユーザー
調査方法:インターネット調査
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある
出典元:みんなの遺品整理(株式会社LIFULL senior)
構成/こじへい