過去10年の任天堂の変遷と株価
ここでは過去10年間の任天堂の変遷と株価を見ていきます。株価は3月1日を基準(土日、休場日などの場合は前後)とします。
【2013年】
Wii Uの販売が苦戦し、ソフトウェアラインナップの不足が課題となる。
株価 903円(2013年3月1日)
【2014年】
任天堂が経営方針として「Quality of Life」を発表。
株価1262.50円(2014年3月3日)
【2015年】
任天堂初のモバイルアプリ「Miitomo」が発表され、スマートフォン市場への参入を表明。
人気ゲームとなる「スプラトゥーン」が発売。Nintendo Switchの開発を開始。
株価1767.50円(2015年3月2日)
【2016年】
スマホ向けゲームアプリ「ポケモンGO」が大ヒットする。また、NXプロジェクトがNintendo Switchとして正式に発表され、ゲーマーたちの期待を高める。
株価1600円(2016年3月1日)
【2017年】
Nintendo Switchが発売され、大きな成功を収める。同時に「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」「ファイアーエムブレム ヒーローズ」などのタイトルをリリース。
株価2583.50円(2017年3月1日)
【2018年】
Nintendo Switchの販売がさらに加速。また、任天堂はモバイルゲーム市場に積極的に参入し、「スーパーマリオラン」をリリース。
株価4686円(2018年3月1日)
【2019年】
Nintendo Switch Liteの発売や「ポケモン ソード・シールド」のリリースなど、任天堂の成功を支える重要な年となる。同時に、モバイルゲーム市場での展開が続く。
株価3156円(2019年3月1日)
【2020年】
新型コロナウイルスの影響で世界中が大きな変革を迎えた年でした。しかし、任天堂はNintendo Switchの販売が堅調であり、自宅でのゲームプレイが増加。
また「マリオカート ライブ ホームサーキット」などの新しいコンセプトのゲームも登場。
株価4161円(2020年3月2日)
【2021年】
Nintendo Switch OLEDモデルがリリース。世界初となる任天堂のテーマパーク「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がUSJでオープン。
株価6181円(2021年3月1日)
【2022年】
人気シリーズ「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」や「スプラトゥーン3」を発表
株価6167円(2022年3月1日)
【2023年】
「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」を発表
映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を公開
株価5131円(2023年3月1日)
もしも10年前に任天堂の株を購入していたら?
もしも任天堂株を2013年からの10年間保有し続けていた場合、上昇率は468.21%も上昇したことになります。あくまでも過去のデータであるため、今後10年間が同じようなパフォーマンスをするのかは分かりません。とはいえ優良株を長期で保有し続けた場合のメリットを数字から実感するはずです。また現在の任天堂は年内にもスイッチの後継機を発表することが予想されており、今年は注目の年となるでしょう。
【同期間のS&P500のパフォーマンス】
米国経済を代表する500社で構成されたS&P500の同期間のパフォーマンスを見ていくと、2013年3月1日の株価1630.74ドル、2023年3月1日の株価4179.83ドルであり、増加率は約156%の成績です。
おわりに
任天堂は強力なキャラクターコンテンツを武器に、3世代のユーザーに支持され続けている稀有な企業です。子どものころに任天堂のゲームで育ち、大人になってからもプレイし、家庭を持ったら家族でプレイする、そんな方も多いのではないでしょうか。
つまり、今後も経営状況による浮き沈みはあったとしても、キャラクターの人気が任天堂の経営基盤であるため、技術革新によって淘汰されにくい強固なブランディングが形成されているといえるでしょう。
少なくとも100年間保有し続けたい日本企業として、筆者自身は任天堂は面白い存在であり続けると考えます。
ちなみに任天堂と同じような企業としてはディズニーが挙げられるでしょう。
文/鈴木林太郎