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徹底解剖!レクサスの新しいラグジュアリーコンパクト「LBX」の実力

2024.02.10

レクサスのコンパクトSUV、LBXに横浜みなとみらい周辺の一般道、そして首都高で試乗した。LBXはレクサス曰く、新しいコンパクトラグジュアリーカー、レクサスのカジュアルスニーカー、高級車の概念を変えるサイズのヒエラルキーを超えた次世代レクサスモデルというキャラクターだが、最初に結論を述べれば、その完成度、レクサスらしさには目を見張るものがあった。

この@DIMEではすでに「レクサスの新型コンパクトSUV「LBX」は「ヤリス クロス」とどれくらい違うのか?」を寄稿しているが、LBXはトヨタのヤリスクロスをベースにしているため、その成り立ちからあまり期待していなかった人もいるはずだが、そんな想像は見事に裏切られることになる。

トヨタ・ヤリスクロス 2020年撮影

ここで簡単にレクサスLBXの概要をおさらいしておくと、ベースとなったのはトヨタ・ヤリスクロス。そのGA-Bプラットフォームや3気筒1・5Lエンジン、基本パッケージなどを共用しつつ、HVのみの展開とし、各所にレクサスのスパイスを盛り込み、実はGA-Bプラットフォームを使いながら、1825mmのダイナミックなスタイリングを成立させる車幅、HVシステムの専用化(特にモーター出力の向上)、ホイールベース、トレッドの拡大、レクサス基準の静粛性や乗り心地、操縦安定性を確保するボディの強化、静粛性への徹底した仕立て、新開発のショックアブソーバーに加え、なんと言ってもレクサスならではのインテリアの高級化が図られているのがLBXらしさ、トヨタ・ヤリスクロスに対して約180万円の価格アップを正当化する理由である。

最初に試乗したのはHVのAWDモデル。グレードはCOOLである。走り始めた瞬間、感動したのは上質でHVならではのウルトラスムーズな加速感、ロードノイズの遮断を含む車内の世界に誇るレクサス基準の静かさ、そして荒れた路面をそう思わせないほどの乗り心地の良さだった。

パワーユニットは直列3気筒1・5Lエンジン+前後モーターだが、とくに全回転域で3気筒感など皆無に近く、3気筒エンジン特有の振動、ノイズは見事に抑えられている。トヨタ・ヤリスクロスにないバランサーシャフトを加えたこともあるが、ボディ、シャシーの剛性UPと高減衰構造接着剤の多用、レクサスUX並みのマフラーサイズ、遮音、吸音効果に優れたフロアカーペットの採用も効いているはずで、全体的な静粛性レベルでヤリスクロスを圧倒していることは間違いない。

乗り心地もレクサスクォリティだ。ロングホイールベース化に加え、フロントサスを大幅に変更し部品も刷新。サスペンションのアッパーサポートの支持をヤリスクロスの1点から3点支持として、入力一体式から入力分離式に変更したことも大きく、またタイヤサイズをヤリスクロスと同じ18インチでも、エアーボリウムの大きい215/50R18から225/55R18サイズにしたこともその要因だろう。とにもかくにも、こう言ってはヤリスクロスに失礼かもしれないが、別物のコンフォータブルな乗り味に仕上がっていたのである。

ヤリスクロスとのAWD同士の比較では、ヤリスクロスのE-FOURモデルで見られた、ザワザワした走行ノイズもまったく感じられず、ドシリとしていながらも、じつにすっきりとした走行性能が実現されている。

動力性能にしても、3気筒エンジンはヤリスクロスと同じ91ps、12.2kg-mというスペックながら、モーターはヤリスクロスの前80ps、14.4kg-m、後5.3ps、5.3kg-mから前94ps、18.9kg-m、後6.0ps、5.3kg-mに増強。システム最高出力が116psから136psまで高められているため、出足、中間加速でのトルク感はより以上。というか、かなりトルキーかつスムーズで速い。エンジンを回すシーンで、ヤリスクロスは室内に入ってくるノイズが盛大だったものの、こちらはそこでも元々静かに調律されたエンジンのノイズの侵入はかなり抑えられ、レクサスクォリティの車内の静かさが保たれる。

試乗コースの一部には、首都高のカーブ、大黒ふ頭PAのアクセス路となる結構な曲率のカーブも含まれたのだが、そこでのステアリングのスムーズさ、低重心感覚、路面に張り付くような安定感、自在の操縦感覚に驚かされることとなった。レクサス専用となるE-Fourの制御もさることながら、フロントシートはヤリスクロスに対して15mm下がり、ドライビングポジションが見直され、低重心感があり、なおかつ本革のフロントシートの座面のたわみが適切で、体重によるサポート性に優れていることが功を奏し、クルマとの文句なしの”一体感”が強調されている(だから運転のしやすさを感じる)。本革シートは表皮の張りが硬く、同じシートのファブリック仕様と比較した場合、体重の軽い人だとじんわりと体が沈み込まず、とくにカーブでのサポート性、かけ心地に差が出てしまいがちだ。が、LBXの日本仕様のフロントシートのみ、座面とサイドサポート部分の縫い合わせ部分を、縫い合わせ部分の奥で縫う「深吊り工法」を採用しているため、体重65kgの筆者でもじんわりとお尻が沈み込み、安定した運転姿勢、クルマとの一体感ある運転感覚を得ることができたというわけだ。

一方、HV FFモデルを走らせれば、走り出した瞬間から、例の”レクサスのカジュアルスニーカー”という表現をダイレクトに感じさせる軽快感が際立つ。AWDとの車重差が80kgあるのだからそれも当然だが、AWDでも感じられた人車一体感はさらに高まっている印象で、走りは上質にして一段と爽快。もちろん、ウルトラスムーズな加速力も一枚上手となる。ヤリスクロスのHV FFモデルで気になった、乗り心地の硬さもまったく感じらない。

ただ、重箱の隅をつつく感じで耳を澄ませれば、全体的な静粛性、とくにロードノイズを徹底して抑えている点では、AWDのほうが気持ち優れているように思えた。これは、約80kg重いAWDモデルのほうが、低周波のロードノイズがマスによる重量増で伝わりにくくなるからである。とはいえ、FFモデルでも乗り心地、静粛性、走行性能を含め、レクサス一流の仕上がりであることは間違いないところ。レクサスオーナーがクルマのダウンサイジングとしてLBXのFF、AWDのどちらを選んでも、おそらく(車格のヒエラルキーは別にして)、納得できるのではないか、ということだ。

最後に、レクサスUXクラスからダウンサイズしたとして、後席の居住スペース、ラゲッジスペースの広さがどのぐらい違うかを示せば、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で、UXは後席頭上に130mm、膝周りに120mmというスペース。ラゲッジスペースは奥行780mm、幅940~1240mm、最小天井高555mmとなる。

レクサスUX

レクサスUX

一方、LBXの後席は頭上に110mm、膝周りに110mmというスペース。頭上方向はともかく、膝周り方向はUXと大きく変わらず、中肉中背の大人なら、それほど無理なく着座できる居住空間となる(決して広くはないが)。ラゲッジスペースは奥行780mm(ヤリスクロス比-40mm/スタイリング重視によるショートオーバーハング化のため)、幅990~1330mm、最小天井高670mmとなり、意外や意外に、奥行は同等、幅方向、最低天井高方向でもLBXにゆとりがあったりするのである。

こうしてレクサスLBXのHV AWD、FFモデルを横浜周辺の一般道、首都高速道路で試乗したわけだが、デザイン、質感、走り、乗り心地、レクサス自慢の静粛性を含めた全方位で「なるほどレクサス、ヤリスクロス比約180万円の価格差も納得」という結論に至った。当然、レクサスディーラーでの一流のサービスも受けられるわけで、それを含めた商品性の高さに、改めて「やっぱりなりは小さくてもレクサスそのものだ」という印象が持てた。なお、最小回転半径はヤリスクロスより小回りが効く5.2m。小さな高級車、ハイブランドのカジュアルスニーカーのようなSUVが欲しい・・・というユーザーには、うってつけの1台ではないだろうか。

文/青山尚暉
写真/レクサス 青山尚暉

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