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英語力による50代の年収差、男性が1.4倍/263万円、女性が1.9倍/303万円で最も顕著

2024.02.09

ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレントは、同サイト登録者の英語力および企業からのスカウトデータ(※1)をもとに、英語力が年収・キャリアに与える影響について独自調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。

※1.スカウトとは、Daijob.comに求人掲載している企業が、同サイトに会員登録し匿名履歴書を公開している求職者に対して、選考や面接のオファーを直接連絡するサービス。

企業からスカウトを受けた人材の75%以上が英語レベルビジネス会話以上

 Daijob.com登録者で企業からスカウトを受けた人材(日本国籍)は、75%以上が「英語レベルビジネス会話以上」で、男女別にみると女性の割合が58%と多く、30代の割合が37%と最も多い結果になった。

昨年度の同調査と比較すると、昨年度の英語力ビジネス会話レベル以上が76%で、今年度とほぼ同数。男性と女性の割合はそれぞれ50%だったのに対して、今年度は女性の割合の方が増えげいる。

年代別では20代が27%(昨年度比+5%)、30代は今年度と同数の37%、40代が24%(昨年度比-4%)になり、昨年度よりも、30代以下の割合が微増した。

■英語力の違いによる年収差は50代の男性が1.4倍(263万円)、50代の女性は1.9倍(303万円)

男女別に、企業からスカウトを受けた人材の平均年収を比較すると、男性50代の「英語レベルビジネス会話以上」は、国税庁の調査結果と比べて1.4倍(263万円差)多くなった。

女性は、「英語レベルビジネス会話以上」の平均年収は、例年と同じく50代が最も国税庁の調査結果と年収差が開き、1.9倍(303万円差)となっている。

昨年度の同調査と今年度の結果を比較してみると、男性50代の英語力による年収差は、国税庁のデータと比べて「英語レベルビジネス会話以上」は1.5倍だったが、今年度は1.4倍と微減した。

女性も、昨年度の50代は2.2倍でしたが、今年度は1.9倍になり、男女ともに昨年度より年収格差が微減する結果となっている。

■最終経験職種別の平均年収を英語力別で比較すると金融関連職種が1.4倍で228万円の年収差

最終経験職種別の平均年収を英語力別に分けると、最も差が開いたのは、「金融/銀行/証券/投資/保険/その他金融関連職種」で1.4倍(228万円差)となった。

22年度も、最も大きな年収差となったが、2023年6月に日本政府が「資産運用立国」の実現を掲げた影響が考えられる。金融庁から、資産運用会社の経営強化が求められているため、海外の資産運用会社の参入が進み、グローバル人材のニーズは引き続き高いと推察できる。

次に大きな差が開いたのは、「財務/会計」(160万円差)と「事務系」(93万円差)で、1.3倍差となった。外資系企業の「財務/会計」は、国際会計基準の知識と語学力が転職の武器になり、「事務系」は営業や受付、法務など、さまざまな業界の求人があり、英語力があれば未経験からも年収アップに挑戦しやすい職種になっているようだ。

近年の英語力が高いグローバル人材の動向は?

昨年22年度の本レポートでは、21年度と比較して、男女ともに英語力別の年収差が広まり、さらにその傾向が開くことが予想されたが、今年度の英語力による年収差は昨年度に比べて微減となった。

その要因の1つとして考えられるのは、海外永住者の増加だ。外務省「海外在留邦人数調査」の統計によると、海外永住者はコロナ禍を挟んでも20年連続で増加傾向にある。

海外永住権の取得には、一定の語学力や就労経験など、滞在する国に必要な要件を満たすことが必須になり、語学力のある人材は、日本と海外で賃金格差が生まれている近年、年収やキャリアアップのため、海外移住に踏み切っていることが考えられる。

また、本レポートの調査対象者は94%が日本在住者だったが、「海外求人」のような海外転職に関するキーワード検索を通して当社サイトが閲覧される回数は、約1.3倍に増えており(※22年と23年の10月~12月で比較)、今後ますます、英語力の高い人材による国を超えた流動性は高まっていくことが予想できる。

調査結果まとめ

ヒューマングローバルタレント株式会社 代表取締役
一般社団法人外国人雇用協議会  理事
横川友樹 氏

英語が必要とされる求人は、大きく3つに分かれます。
1.外資系企業(本国との連携)」
2.日系グローバル企業(海外現地折衝)」
3.インバウンド等外国籍顧客との折衝」

特に、1,2においては日系・外資系共に、海外に出て事業拡大を図る企業になるため、本国での企業規模が大きな企業が中心であり、そもそもの給与水準が高いケースが多いです。

また昨今、世界的な人材獲得競争や、優秀な人材のグローバルでの配置転換を進める流れを受け、日系企業においても年収を全世界共通にする企業も出てきております。

世界中から必要とされる人材と、国内だけで必要とされる人材の差は今後も開いていくものと思います。

調査概要
期間/2022年10月~2023年9月
機関/ヒューマングローバルタレント株式会社
対象/Daijob.comに掲載している企業からスカウトを受けた日本国籍で20代~50代のDaijob.com登録者
人数/1万5969人(男性・6657人 女性・9312人)
方法/Daijob.com登録者データから抽出

関連情報
https://corp.daijob.com/news/news/20240131

構成/清水眞希

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