裁判所のジャッジ
夫の負けです。0円です。
―― 何でですのん!
女性裁判官
「たしかに『愛してる』『大好き』などのやりとりがあるし、ほかにも親密な男女間でしかあり得ない愛情表現もある。さらには性交渉を強く示唆する内容のメールもある。そして、2人は双方の家族がいない時を見計らい電話でも頻繁に会話しており、さらにはマサオは翔子に「メールや手紙を破棄するよう」指示している」
―― 完全にクロじゃないですか(笑)。
女性裁判官
「いや。メールってノリでふざけたりすることあるじゃん。2人は小学校の同級生だったんでしょ。気心知れた人だからって気晴らしにキワドイ内容のメールを楽しんでいたかもしれないじゃん」
―― なんと寛大な判断!でも、SEXともとれる内容のメールもあったんですが、その点は?
女性裁判官
「まぁまぁ、そういうメールがたくさんあったとしても、マサオと翔子が実際にSEXしてたと断定することは……躊躇しますね」
ラフに表現してますがホントに言ってます(以下、判決文より引用)
―― マサオが翔子に「メールを消すよう」指示した点は?
女性裁判官
「見られたくないメールを消してほしいと頼むことは自然。この指示でSEXの存在を推認できません。あと、翔子は東京在住で、マサオは名古屋在住でしょ。双方の家族に知られないように密会することは難しかったはずです」
というわけで夫は負けました。【性交渉を強く示唆する内容のメール】ってのが判決文に載ってなかったのが残念です。その内容にもよりますが、これだけ証拠があがってるのに負けるんや!というのが率直な感想です。
イチャイチャだけでも不貞行為!?
―― ここで妄想を膨らませてみましょう。夫が寝室のドアをあけた時、何と!マサオと翔子がベッドでイチャついていたとします。SEX直前です。夫がマサオを訴えて勝てるでしょうか?
楽天家な人
「夫の負けっしょ。SEXしてないんだからマサオの勝ちっしょ!」
―― シャラップ!
イチャイチャだけでも不貞行為になることがあるんです。コチラを読んで戒めてください。
今回は以上です。また次の記事でお会いしましょう。
取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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