過去10年のテスラの変遷と株価
ここでは過去10年間のテスラの変遷と株価を見ていきます。株価は3月1日を基準とします。
【2013年】
初めての利益を達成し、Model Sが市場で成功。
ドイツにおいて、独自の急速充電ネットワークの「スーパーチャージャー」を整備すると発表。
株価2.526ドル(2013年3月1日)
【2014年】
ギガファクトリーの建設が始まり、この施設は電気自動車およびバッテリーの生産において革新的な拠点となる。
株価13.90ドル(2014年3月1日)
【2015年】
Model Xの発表と生産開始。ファルコンウィングドアなど斬新なデザインが注目を浴びる。
Model SにAutopilot機能が追加され、自動運転技術の先駆的な取り組みを行う。
株価12.58ドル(2015年3月1日)
【2016年】
ソーラシティの買収が発表され、再生可能エネルギー分野への本格的な進出が始まる。
モデル3が発表され、低価格帯のEV市場への本格参入が期待される。
株価15.32ドル(2016年3月1日)
【2017年】
モデル3の量産が始まり、受注が殺到。生産の進捗に関する挑戦もある。
株価18.55ドル(2017年3月1日)
【2018年】
モデル3の生産が本格化し、企業の利益が大幅に改善。利益の拡大が株価の上昇につながる。
CEOイーロン・マスクのツイッターでの発言により、一部の株主や投資家に不安が広がる。
株価17.74ドル(2018年3月1日)
【2019年】
利益成長が続き、株価が一時的に上昇。
モデルYの発表。クロスオーバーセグメントへの進出が強調される。
Cybertruckの発表。斬新なデザインが議論を呼び起こす。
株価18.66ドル(2019年3月1日)
【2020年】
テスラの株価が急騰し、S&P500の構成銘柄に加わる。これにより機関投資家の注目を一気に集める。株式分割が実施され、広く個人投資家にも手の届く形となる。
ユーザーによるFSD(Full Self-Driving)ベータテストが始まり、自動運転技術への期待が高まる。
株価34.93ドル(2020年3月1日)
【2021年】
株価が引き続き上昇。イーロン・マスクがツイッター投票後に50億ドル相当のテスラ株を売却。
株価222.64ドル(2021年3月1日)
【2022年】
テスラの事業展開や将来の計画への期待が株価に影響。
BYDを筆頭に競合他社との競争が激化する中で、テスラの市場ポジションが焦点となる。
イーロン・マスクの異なる事業(例: スペースX、スターリンク)においても注目が集まる。
株価359.20ドル(2022年3月1日)
【2023年】
2023年の世界販売(納車)台数は、新記録となる180万8581台だった。 前年実績の131万3851台に対して、37.6%増と引き続き大きく増加。
株価207.46ドル(2022年3月1日)
もしも10年前にテスラの株を購入していたら?
もしも10年前にテスラの株を購入していた場合、その投資は非常に成功したものとなります。2013年から始まった10年間で株価は8112.98%も高騰し、テスラは電気自動車市場のリーダーとしての地位を確立しました。
とはいえ2024年2月5日時点の株価は181.06ドルと下落傾向にあります。
テスラ自体は素晴らしい企業であったとしても、ここ数年はEVブームにより株価が加熱気味であったことも事実でしょう。
また将来的に他の自動車会社よりもいち早くFSDが達成された場合、再び株価は高騰するシナリオもあり得るでしょう。
【同期間のS&P500のパフォーマンス】
米国経済を代表する500社で構成されたS&P500の同期間のパフォーマンスを見ていきます。
2013年3月1日の株価1630.74ドル、2023年3月1日の株価4179.83ドルであり、
増加率は約156%の成績となります。
おわりに
投資にはリスクが伴い、市場の変動や企業の動向を常に注意深くモニタリングすることが重要です。また別の見方をすれば、投資とは自分以上に優れた知見や専門性を持つ起業家や経営者、企業にお金を託す行為でもあります。
テスラに投資をするということは、イーロン・マスクに投資をしていることでもあるのです。
投資を通じて社会を見てみると、実に多くの情報を吸収できるはずです。
ぜひ興味や関心のある会社を見つけてみてはいかがでしょうか。
文/鈴木林太郎