転職には多大な労力がかかる。どうせするのであれば、前職よりも高い給与が約束された会社へ移りたいという人が大半だろう。では、年収1,000万円以上の求人数はここ数年で増えたのだろうか、それとも減ったのだろうか?
転職サイト「ビズリーチ」はこのほど、同サイトでの決定年収1,000万円以上の転職数が3年前と比べ、3.2倍に増加したことを発表した。
また年収1,000万円以上の求人も増加傾向で、3年前と比べて2.8倍となり、変化の激しいビジネス環境を背景に、自社にない専門性や高いスキルを持った即戦力人材を外部から採用しようとする動きが高まっていることがわかった。
決定年収1,000万円以上の転職数は、3年前と比べて3.2倍。地方では4.6倍
ビズリーチでの転職のうち、特に決定年収1,000万円以上の転職数は年々増加傾向にあり、3年前と比べて3.2倍で、転職数全体の伸びより大きいことがわかった。
コロナ禍のなかでも、即戦力人材の採用ニーズは堅調だったことに加えて、特に高い専門性やスキルを持つ高度専門人材を求める動きが活発化したことが背景にあると推測される。
転職者の属性を見ると、30代から40代の転職がメインで約8割を占めるが、終身雇用を前提とした従来型の雇用慣行が変化するなかで50代の転職も増加傾向にあることがわかった。
職種は「経営」が最も多く、COO(最高執行責任者)やCTO(最高技術責任者)、CFO(最高財務責任者)といったCXOポジションや執行役員、経営企画や事業責任者などのポジションで多くの転職が見られた。
また三大都市圏※以外(地方)における転職数の増加も顕著で、3年前に比べて4.6倍となった。
ダイレクトリクルーティングの広がりを背景に、広島県の素材メーカーのCIO(最高情報責任者)や福岡県のエネルギー事業を手掛ける企業のDX推進責任者など、地場の優良企業がビズリーチで経営人材を採用するケースが多く見られた。
※埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府
年収1,000万円以上の求人トレンド、職種は「経営」、業種は「IT・インターネット」が最多
年収1,000万円以上の求人数も増加傾向にあり、3年前と比較し2.8倍となった。年収1,000万円以上の求人トレンドとして、求人の多い職種は「経営」「営業」「IT技術職」で、業種は「IT・インターネット」「コンサルティング」「メーカー」だった。
■株式会社ビズリーチ ビズリーチ事業部 ビジネス開発統括部 統括部長 伊藤 綾氏 コメント
近年、即戦力人材の採用ニーズが高まるなか、特に年収1,000万円以上の高度専門人材(エグゼクティブ人材)の転職が増加していることがわかりました。
企業を取り巻く環境が激しく変化するなか、M&Aによる会社再編や、ベンチャー・スタートアップ企業の振興、事業承継における後継者不足、海外子会社の増加などに起因して、企業規模や地域にかかわらず、経営層に加えて部長層やITスペシャリスト等の先端事業を推進するための人材を外部から採用する流れが加速しています。
今後もこの採用トレンドは続くと考えられ、高度専門人材の獲得競争はさらに激化していくことが予測されます。企業には、経営層が自ら採用にコミットすることや、人事と現場(受け入れ部門)が連携した「現場主導の採用」が求められるでしょう。
出典元:株式会社ビズリーチ
構成/こじへい