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ビジネスシーンでは、自分のやる気や熱意をきちんと言葉にしたほうが、仕事がスムーズに運ぶことが多い。「尽力して参ります」は、そのような時に使いたい言葉の一つだ。正しい読み方と使い方を知っておけば、仕事相手に自分の熱意を伝えられるだけでなく、今後のコミュニケーションの足がかりとなってくれるだろう。
そこで本記事では「尽力して参ります」の意味と使い方、「メールに使ってもOK?」などの疑問や注意点、知っておくと便利な言い換え表現などについて解説する。
「尽力して参ります」とはどんな意味?
「尽力して参ります」の「尽力(じんりょく)」とは、力を尽くすこと。「尽力する」は最大限の力を出し切ることを意味し、これに「行く・来る」の謙譲語である「参る」と丁寧語の「ます」が付くことで、自分が力を尽くすことをへりくだって表現する言葉となる。
■上司や取引先などビジネス相手とのやり取りに活躍する「尽力して参ります」
ビジネスシーンでは、仕事相手に「頑張ります」「一生懸命やります」といった具合に自分の熱意を伝える場面が多い。しかし、目上の相手と会話している場合や重要な仕事に当たる場合は、「頑張ります」と一言伝えるだけでは軽さや幼稚さが出てしまうケースがある。
ビジネスの中でも特に改まった場面では、「尽力して参ります」「尽力いたします」「尽力させていただきます」などの敬語を使うことで、相手の立場を尊重しつつ自分の熱意を伝えられる。
「尽力して参ります」の正しい使い方と注意点
「尽力して参ります」は、目上の相手にも使える便利な敬語表現だが、使い方やTPOを誤ると相手に違和感を与えてしまうため注意が必要だ。
■メールで「尽力して参ります」を使っても大丈夫?
ビジネスメールの文中に「尽力して参ります」を使用するのは問題ない。例えば、取引先への着任の挨拶や新プロジェクトの始動時など、節目のタイミングで仕事に対する熱意・やる気を伝える場合に使うと良いだろう。
■履歴書に「尽力して参ります」は使える?
就職や転職で作成する履歴書にも「尽力して参ります」は使用可能だ。履歴書の志望動機欄や面接の際に、仕事への意気込みを伝えたい場合に使うと良いだろう。
■相手の行動に対しては「尽力」を使わない
「尽力」は、こちらが相手に対して力を尽くす、という意味を持つため、相手の行為や行動に対しては使わない。
相手に力を尽くしてもらう事柄に関しては、尽力に尊敬語の「ご」を付け、「ご尽力」とした上で、「ご尽力に感謝いたします」「ご尽力いただけますと幸いです」などのように表現するのが適切だ。
■「尽力して参ります」を使った例文
・尽力して参りますので、どうぞよろしくお願いします。
・引き続き尽力して参ります。
・期日までに完遂できるよう、尽力して参ります。
知っておきたい「尽力して参ります」の言い換え表現
自分の熱意を表現する上で役立つ「尽力して参ります」という言葉だが、会話やメールで同じ言葉を何度も繰り返すと相手に稚拙な印象を与えてしまう場合がある。同じ意味で使える言い換え表現をいくつか覚えておくと役立つはずだ。
■誠心誠意努力いたします
「誠心誠意」とは、うそいつわりなく、真心をもって事に当たること。「尽力して参ります」とは同じ意味で使える。誠実に物事に当たることを意味するため、仕事の中でも特に誠実さが求められる場面や、仕事において誠実さを重視している相手に使うのがおすすめだ。
■全力で取り組みます
文字通り、全力で物事に取り組むことを言う。「尽力して参ります」をより直接的でわかりやすく表現した言葉と言える。「頑張ります」では軽い印象を与えてしまいそうな場合に使うと良いだろう。
■最善を尽くします
「最善」には、「最も良いこと」「一番適当なこと」の意味に加えて、「できる限りのこと」「全力」という意味もある。「最善を尽くす」の「最善」は後者の意味となり、「尽力する」とほぼ同じ意味で使うことができる。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部