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ビジネスシーンで仕事をスムーズに進めるために行う、上司や同僚への報告・連絡・相談。物事が起こったあとに報告する「事後報告」も、これらのコミュニケーションの一つだ。ビジネス雑誌やニュースなどで見聞きしていても、正しい意味や使い方がわからない人も少なくないはず。
本記事では、「事後報告」の意味や使用シーン、事前報告との違いを解説する。後半に紹介する事後報告する人の心理や事後報告のポイントも、この機会に覚えておこう。
事後報告とは
まず、「事後報告」の正しい意味から見ていこう。使用シーンや事前報告との違いもぜひ参考にしてほしい。
意味は物事が終えてから報告すること
事後報告とは、物事が終わってから「〜でした」と結果を報告することを意味する。ビジネスでの事後報告は、イベントを開催した後や一定期間のキャンペーン終了後の報告などが挙げられる。
ビジネスにおいては場面を見極めたうえで、必要な情報を組織内で共有することが大切だ。しかし、事後報告する際に、求められている情報が相手に伝わっていなかったり、情報共有するタイミングが遅かったりするとトラブルが生じることがある。
ビジネスは同僚や取引先などさまざまな人と行うため、情報を共有することが欠かせない。事後報告も大切だが、状況によっては経過報告として現在の状況を共有することも重要だ。上司が多くの部下を抱えている場合や、チームメンバーが他のプロジェクトを掛け持ちしている場合には、こちらの状況や情報を把握していないこともある。そのため、必要な情報をこまめに共有することを心がけよう。
使用シーン
事後報告は、ビジネスシーンだと上司やチームのメンバー、クライアントに仕事が完了したことを共有する場面で使われる表現だ。
【例文】
「トラブルの件が事後報告になってしまい申し訳ございません」
「事後報告ばかりだと、上司の私であっても対応ができないことがある」
「このクライアントとの取引内容は、事後報告で結構です」
「イベントが完了するごとに、事後報告してください」
事前報告と事後報告の違い
事前報告とは、物事が起こる前に関係者やチームメンバーに情報共有しておくことを指す。事前報告をしておくと、チーム内で情報が共有されているため、緊急時でも柔軟に対応できるのがメリットだ。
一方、事後報告は物事が終わった後に情報を共有することを意味する。心配が不用なことであれば、報告は事後でも構わないケースが多い。ただし、取引内容に変更が生じたり、確認する必要があったりする場合は、念のために関係者に事前報告しておくのが安心だ。
事後報告する人の心理とは?
次に、事後報告する人の心理を紹介する。事後に報告する、または事後報告される機会がある場合は、ぜひチェックしておこう。
1. 他人に迷惑をかけたくない
責任感や使命感が強いと、事前に報告することで周りに迷惑や心配をかけてしまうのではないかといった心理から、あえて事後に情報共有することがある。 また、頼り甲斐があると思われたい、仕事ができると思われたいと承認欲求が強い場合も、報告が事後になるケースが多いだろう。
2. マイペースに物事を進めたい
他人に振り回されず、自分のペースで物事を進めたい人も、報告が事後になる傾向がある。
例えば、仕事の経過報告をして指摘を受けると圧力を感じやすい人は、マイペースに物事を進めにくくなってしまう。 このような心理の場合は、自分のやり方で仕事をするため、思い切って物事が終わったあとに関係者に情報共有することがある。
事後報告のポイント
最後に、事後報告のポイントを確認していこう。上司や同僚に適切に事後報告できるよう、押さえておこう。
1. わかりやすく簡潔に伝える
ビジネスシーンで情報共有する際、複数のメンバーに伝えなければならない場面がある。その場合は、誰にでもわかりやすい内容で伝えることを意識しよう。わかりやすい報告のポイントは、結論から伝えること、主語を明確にして一文を短くすることだ。また、専門用語や略語ではなく、誰にでも伝わる言葉を用いるとスムーズに情報共有できる。
2. 事実と自分の見解を分けて伝える
相手が内容を理解しやすくするためには、実際に起きた事実と自分の考えを分けて伝える必要がある。事実と考えを混同してチームメンバーに情報共有した場合、誤った情報が伝わってしまい、その後のクライアントとの取引内容や提供するサービスなどに支障が出る恐れがある。正しい情報が伝えられるよう、気をつけよう。
そして、事実を伝えたあとに自分の考察を加えることで、情報だけでなく意思や考えもわかりやすく共有できる。
3. 相手が知りたい内容を含めて伝える
相手が知りたい情報を想定し、その内容を含めて伝えると、意義のある事後報告ができる。例えば、予定していたイベントが終了した場合は無事に終わったことだけでなく、来場者数や特に盛り上がったコーナーなどを伝えよう。このように物事が終わった後にしかわからない情報を伝えられると、事後報告としての価値が高まるだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部