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企業や公共団体など組織の中で働く人にとって「部署」は身近な言葉だ。なんとなく、仕事の内容によって切り分けられているイメージを持つ人が多いだろうが、具体的にどこまでが「部署」なのか、「課」や「部」との違いをきちんと説明できる人は少ない。また、組織の種類によっても「部署」の認識が違うケースがあるため、注意が必要だ。
そこで本記事では、「部署」の意味と一般的な範囲、同じく組織内で使われることが多い「課」や「部門」などとの違いについて解説する。
「部署」の意味と役割は?
「部署(ぶしょ)」の意味は、割り当てられた役目(任務)や持ち場、またはその役目を果たす場所のこと。役目を割り当てる行為そのものを指す場合もある。
■組織の中での「部署」は機能ごとに分けられた区分
会社のような組織の中での「部署」は、役割・機能によって分けられた区分の一つ。細かな区切り方は組織によって異なり、多くの企業にある「部」(人事部、経理部、営業部など)がそのまま部署に該当するケースもあれば、業務内容に共通項がある複数の「部」をまとめて「部署」とするケースもある。
「部署」とはどこまでを指す?組織内での範囲
「部署」と一口に言っても、どの範囲を指すか、一つの部署の規模はどの程度か、などを疑問に感じる人も多いはず。ここでは「部署」と、「課」や「部門」との違いについて解説する。
■「部署」と「課」の違い
「課」は、「部」と同じく会社や官庁における業務区分の一つだ。通常は「部」の下に置かれることが多く、一つの「部」は複数の「課」に細分化される。規模の大きな組織では「課」のさらに下に「室」や「係」が置かれる。また、組織によっては、「課」や「係」などの名称を用いず、「チーム」「グループ」と呼ぶケースもある。
「部署」との違いは、「課」のほうが人数の規模が小さい点。「部=部署」となる組織の場合も、複数の「部」が集まって「部署」を形成している組織の場合も同様に、「課」は「部(署)」よりも小さい業務区分として扱われることが多い。
■「部署」と「部門」の違い
「部門」も「部署」と同じく、組織ごとに区切り方や規模などが異なる。一般的には、複数の「部署」が集まったものを「部門」と呼ぶことが多い。「部署」より規模の大きい区分と理解しておくと良いだろう。
■「部署」を調べる時は組織図をチェック
ここまで見てきたように、「部署」は、「部」「課」と比べると、組織によって規模や区分の方法にバラつきがある。そのため、個別の企業・公共団体の「部署」を調べたい場合は、ホームページ上などで公開されている組織図をチェックするのがおすすめだ。
それぞれの組織における「部署」の例
「部署」は組織の区分の中でも曖昧な意味を持つ言葉だが、一般企業や病院・工場など組織の種類によっても区切り方が異なる。それぞれの組織の傾向を見てみよう。
■会社(一般企業)の「部署」とは
一般企業における「部署」は、「部門」の下で、「部」の上(または「部」と同一)。その下に「課」を置くケースが多い。
■病院の「部署」とは
病院の「部署」は、「診療部(医局)」と「看護部」の二つが規模の大きな区分として存在するほか、「部」よりも人員規模の小さな「科」や「室」(薬剤科、検査科、放射線科、リハビリテーション科、栄養科、医事科、医療相談室、経営企画室など)が、「部」とは別に独立して存在するケースが多い。
また、「事務部門」の下には一般企業と同様の「課」(人事課、経理課、庶務課、総務課など)が配置されている。病院ごとに組織の分け方・呼称などが異なる。
■工場の「部署」とは
工場に代表される製造業の「部署」は、「製造部」の下に「製造課」「生産技術課」「生産管理課」「品質管理課」など製造工程を司る各種の「課」が配置されている点が特徴だ。その他、「品質保証部」「環境安全部」「購買部」「総務部」などが連なる。ただし、こちらも企業や工場によって組織図が異なり、「研究・開発部門」を自前で持つ工場もある一方で、開発関連を本社の業務として切り分けているケースもある。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部