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季節や時期によって忙しさが異なる業界・職種は少なくない。「閑散期」とは、そのような忙しさの区切りを表す言葉の一つだ。仕事の忙しい時期と暇な時期で業務が変わることも多いため、ビジネスパーソンには必須の考え方と言えるだろう。
そこで本記事では、「閑散期」の意味や読み方、正しい使い方、いつを指すかといった範囲について解説する。
「閑散期」の読み方は?どんな意味?
「閑散期」の読み方は「かんさんき」。「閑散」とは、暇ですることがないこと、ものの動きがなく静かな様子などを意味する言葉だ。これに、時期・期間という意味の「期」が付くことで、「暇な時期」や「静かな時期」を指す言葉となる。
ビジネスの「閑散期」はオフシーズンを指す
ビジネスにおける「閑散期」とは、来客数や注文数などが少ない暇な時期のこと。別名を「オフシーズン」とも言い、観光産業やレジャー産業などではおなじみの考え方だ。その他の産業・業界でも、毎年の傾向として顧客からの依頼件数や全体の仕事量が少ない時期のことを「閑散期」と言う。
「閑散期」は消費者側のメリットが多い
閑散期は、事業者から見て「暇な時期」を指す言葉だが、商品やサービスを利用する消費者(利用者)の立場から見ると、メリットがあるケースも多い。閑散期のメリットとデメリットを、消費者と事業者のそれぞれの立場から見てみよう。
「閑散期」のメリット
消費者(利用者)にとっての閑散期には、他の客が少なく「混雑を避けられる」「料金が安くなる」「時間が早くなる」「丁寧に対応してもらえる」などのメリットがある。
例えば、ディズニーランドやUSJなどのテーマパークは、閑散期に行けばアトラクションやレストランでの待ち時間を少なくすることが可能だ。ホテルや新幹線も旅行の閑散期には予約が取りやすく、料金も安くなる傾向がある。
一方、事業者にとっての閑散期は、日常的な業務が落ち着いていることを活かして、社内業務の自動化・電子化、研修や人事評価の実施などに着手しやすいタイミングでもある。
「閑散期」のデメリット
閑散期が生まれる背景には、休暇時期の偏りや日本の気候などが関係している。そのため、閑散期にサービスや商品を利用する場合は、メリットに加えてデメリットも知っておこう。
例えば、梅雨の時期はテーマパークや旅行会社が閑散期に入るため混雑を避けやすいが、天候が悪いケースも多く、せっかくのレジャーを楽しめない可能性がある。また、海水浴場やスキー場などでは、閑散期であることを理由に事業が停止され、望んだサービスや商品の提供を受けられないケースもあるだろう。
事業者にとっての閑散期のデメリットは、「売上が落ちる」「在庫が余る」など営業に直接関わるものが多い。閑散期の対策としてセールやイベントを開催する事業者も少なくないため、同業他社の動きを観察すると良いだろう。
「閑散期」の使い方や反対語
ビジネスでは頻出ワードの一つである「閑散期」だが、実際のビジネスシーンでどのように使われているか、例文や言い換え表現、反対語なども押さえておこう。
「閑散期」を使った例文
・新しい購買層を開拓することで、閑散期の売上増を狙えるのではないかと考えています。
・夏場は観光客が多く訪れますが、閑散期の今は人影もまばらです。
・あのテーマパークは年中イベントを行っているため、閑散期はないに等しい。
「閑散期」の言い換え表現
閑散期と同じ意味で使える類語をいくつか知っておくと、他人に説明する場合などに便利だ。閑散期の言い換え表現には、主に以下のような言葉がある。
・オフシーズン:閑散期の英語表現が日本語でも定着したもの。特に観光やレジャーで使われるケースが多い。
・二八(にっぱち):二月と八月の意味で、商売が振るわない時期を指す。
・混雑の少ない時期:閑散期をわかりやすく言い換えた表現。レジャーや飲食、小売、病院と幅広く使える。
また、閑散期に似た表現として「閑古鳥が鳴く」がある。ただし、こちらは商売そのものが流行っていない意味が強くなるため、使い方に注意したい。
閑散期の反対語は「繁忙期」
閑散期の反対は「繁忙期(はんぼうき)」。一年の中でも特に忙しい時期を指す。閑散期とセットで覚えておくと良いだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部