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2023年日本のモバイルゲーム市場の収益1位は「モンスト」、コラボやSNSの活用に日本と海外で違い

2024.01.30

日本と海外パブリッシャーで異なる戦略。モバイルゲーム収益ではコラボが重要なカギ

ここからは、日本市場における日本パブリッシャーと海外パブリッシャーの戦略の違いを考察していく。

2023年モバイルゲーム収益トップ10では、日本パブリッシャーが6タイトル、海外パブリッシャーが4タイトル。

日本パブリッシャーの6タイトルのうち、リリースから5年以上経過(2023年時点)しているタイトルは、『モンスターストライク』『Fate Grand/Order』(Aniplex)、『プロ野球スピリッツA』(KONAMI)、『パズル&ドラゴンズ』(GungHo Online Entertainment)、『ドラゴンクエストウォーク』(SQARE ENIX)の5タイトルにもおよぶ。

では、どのような戦略をとっているパブリッシャーが上位をキープしているのだろうか。1つは定期的なゲームのアップデートがあげられる。

不具合解消以外に、新キャラや新ストーリーの追加、バランス調整、周年イベントなどを絶え間なく続けることで、プレイヤーを惹きつけることに成功していた。

もう1つは、コラボやイベントの展開だ。日本パブリッシャーのモバイルゲームはゲーム内コラボ・イベントを積極的に行い、収益確保に成功している。

IPジャンルとしてはアニメやゲームとのコラボが多い傾向だが、『ウマ娘 プリティーダービー』では競馬場とのコラボ、『ドラゴンクエストウォーク』では現実世界にある飲料自動販売機とのコラボなど、ゲームの特性に合わせた展開を実施。

ゲーム内コラボ・イベントのインパクトは、パワーユーザー(1ヵ月に15日以上使用したユーザー)の推移でも確認できる。

Sensor Towerのデータによると、2023年日本のモバイルゲーム収益トップ10のタイトルにおけるパワーユーザーの推移では、年末年始にパワーユーザーが増加する傾向はいずれのタイトルでも共通しているものの、全般的に日本パブリッシャーのタイトルが多い傾向がみられた。

例えば、2023年8月に8周年イベントを展開した『Fate Grand/Order』、10月に10周年を迎えた『モンスターストライク』などは大きくパワーユーザーが伸びており、『プロ野球スピリッツA』ではダルビッシュ選手が選定したOB選手が登場するスカウト「ダルビッシュセレクション」の開催などで11月にパワーユーザーが増加し始めていることがわかる。

これらの戦略は海外パブリッシャーのモバイルゲームでも実施されているが、その様相は異なり、特にコラボにおいては、大きな違いがある。

例えば、収益トップの『モンスターストライク』は、2023年に毎月ゲーム内IPコラボを実施したが、収益成長量トップの『崩壊:スターレイル』(miHoYo)では0回、2位の『勝利の女神:NIKKE』(Level Infinite)は2回となっている。

その一方で、海外パブリッシャーのタイトルはゲーム外のコラボが積極的だ。一例を上げると、『崩壊:スターレイル』ではハンバーガーチェーン、フラワーギフトショップ、鉄道会社などがあり、『勝利の女神:NIKKE』ではコンビニエンスストアやコミック雑誌での連載、『原神』では郵便局や東京スカイツリーとのコラボを展開するなど、内容やジャンルは多岐にわたる。

こうしたゲーム外の積極的なコラボ展開にプロモーション費用を投下することで認知を広げ、プレイヤーになってもらう流れを形成する戦略だと思われる。

SNSの活用にも日本と海外で違い、広告ネットワークでもその色が濃く出る

各タイトルにおけるユーザーへのリーチ方法にも違いが見える。2023年日本におけるモバイルゲーム収益トップ10のSNSを比較すると、X(旧:Twitter)およびYouTubeの活用はすべてのタイトルで実施されていた。

TikTokの運用については、中国パブリッシャーが上手に活用している。日本パブリッシャーのタイトルではTikTok公式アカウントが存在しないものもある中、中国パブリッシャーのタイトルではTikTok内でのイベントも実施していた。

キャラやイベントを紹介するショート動画に加えて、TikTok内で該当ゲームのライブ配信をするとゲーム内アイテムがもらえるなどの施策を展開。

国内タイトルの公式TikTokで最もフォロワーが多いのは『モンスターストライク』の9万人以上だが、海外タイトルでは『原神』の72万人以上と大きな差をつけている(2023年12月時点)。

広告ネットワークにおけるSoVでも日本と海外パブリッシャーでの違いが見える。Sensor Towerのデータによると、2023年第3四半期の日本のおけるモバイルゲームのApple Search Adでは、『パズル&ドラゴンズ』がトップで、5位に『モンスターストライク』、6位に『プロ野球スピリッツA』、8位に『ドラゴンクエストウォーク』が入っていた。

Apple Search AdsはApp Storeへの唯一の広告配信ネットワークで、検索連動型の広告だ。検索結果に応じて広告が表示されるため、プレイヤーの関心を引き付けやすく、課金率も高いとされている。

一方、同期間のX(旧:Twitter)では1位が『崩壊:スターレイル』で以下3位までが海外パブリッシャーのモバイルゲームが占め、YouTubeでもトップ3が海外パブリッシャーとなった。

X、YouTube共にモバイルゲーマーにはなじみのあるプラットフォームだが、検索連動型広告と比較するとより広いユーザーへの広告がリーチに期待できる。

ゲームのジャンルやリリースからの経過時間が関係するため一概には言えないものの、日本パブリッシャーのモバイルゲームは、すでにプレイヤーとなっている人たちにできるだけ長期間プレイしてもらうことに軸足を置き、それに応じた広告費の投下を実施している傾向が見られる。

一方の海外パブリッシャーは、デジタルおよび現実世界の多方面で認知を広げることに注力したと言えそうだ。

※出典:Sensor Tower

関連情報
https://sensortower.com/ja/product/store-intelligence

構成/Ara

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