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ビジネスシーンで解決されていないままのタスクや、保留になっている業務を指して使われる「懸案事項」。言葉の意味や使い方を理解せずに、なんとなく使っている人も多いのではないだろうか。
そこで本記事では、「懸案事項」の正しい読み方と言葉の意味、理解が混同しやすい「懸念事項」との違いを解説する。後半に紹介する「懸案事項」の類語や英語表現も、ぜひこの機会に確認しておこう。
「懸案事項」とは
「懸案事項」の正しい読み方は「けんあんじこう」。
「前から問題になってるまま、まだ解決されていない事柄」を意味する言葉で、解決されていないままのタスクや、保留になっている交渉などを指して使われる。
■使い方と例文
懸案事項は、新聞やニュースなどの報道やビジネスシーンなど、かしこまった場面で使われることが多い。
【例文】
「あの提案の懸案事項を解決しなければならない」
「この懸案事項をどうにかしなければ、新しいビジネスが進まない」
「海外から商品を輸入する際の懸案事項を、上司に報告した」
「今後、これらの懸案事項を協議する必要がある」
■懸念事項との違い
ちなみに、「懸案事項」と意味が混同されやすい「懸念事項(けねんじこう)は、ビジネス上では、今後予想される気掛かりで不安な物事を指す言葉。現在、すでに問題になっている事柄を表す「懸案事項」とは問題の発生時期が異なる。正しく使い分けられるようにしよう。
「懸案事項」の類義語は?
次に、懸案事項と似た意味を持つ、言い換え表現を紹介する。語彙の幅を広げるのにぜひ役立ててほしい。
■気掛かり(きがかり)
どうなるか不安で、頭からその物事が離れないことを指す言葉。
【例文】
「明後日の空模様が気掛かりだ」
「気掛かりなのは孫のことだ」
「息子が起こした不祥事が気掛かりだ」
「気掛かりなことがあるため、プレゼンに集中できない」
■未解決(みかいけつ)
問題・紛争が解決されていないこと、結論や答えが出ていない事柄を意味する。
【例文】
「あのとき未解決だった事件はどうなったのか知りたい」
「彼はこの問題を未解決のままにしておくつもりだ」
「未解決のままだと、このプランは保留になるだろう」
「先生たちの問題が未解決な限り、生徒には良い影響はないだろう」
■心掛かり(こころがかり)
心配で気にかかること、またその様子を表す言葉。
【例文】
「心掛かりなのは祖父の病状だ」
「後輩のことが心掛かりなまま部署を異動した」
「田舎に残した両親のことが心掛かりだ」
「プレゼンの結果が心掛かりだ」
■保留(ほりゅう)
問題になっている事柄をその場で決定せずに延ばしておくこと、そのまま留めておくことを意味する。
【例文】
「事業プランの回答を保留する」
「このまま採用の返事を保留されると困る」
「今日が締め切りの回答を保留させてほしい」
「今回の会議では、この提案は保留にしておこう」
「懸案事項」の英語表現
最後に、懸案事項を英語で表したい場合に使える表現と例文を紹介する。英語を使う機会が多い方はチェックしておこう。
■pending
未決定であることや、解決せず結論が宙に浮いていることを意味する表現だ。
【例文】
“I have to finish a pending item of business.”
(私はやり残した仕事をしなければならない)
“He is scheduled to discuss the entire range of pending bilateral issues between the two countries tomorrow.”
(彼は、明日、両国間の懸案事項全体について話し合う予定だ)
■concern
相手に心配させたり、自分が心配に思ったりすることを意味する表現。
【例文】
“We need to discuss a major concern for all trade.”
(我々は貿易に関する懸案事項の全てを話し合う必要がある)
“She identified local concerns.”
(彼女は地域の懸案事項を発見した)
■hurdle
解決が難しい問題を表す言葉だ。
【例文】
“There were many hurdles in expanding overseas.”
(海外展開において多くのハードルがあった)
“Let’s clear a hurdle at times like these.”
(こんなときこそ困難を乗り越えよう)
■problem
ビジネス上のトラブルや対処が必要な困難を指す。
【例文】
“He had a troublesome problem.”
(彼はやっかいな問題を抱えていた)
“What do you think about this problem?”
(この問題についてはどう思う?)
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部