「恐縮です」を使う時の注意点
「恐縮です」は、状況にもよりますが、会話で使うとやや堅苦しい印象を与えかねません。どちらかというと会話よりも書き言葉に適した言葉といえるため、会話の中で「恐縮です」があてはまるような場合は、「恐れ入ります」に言い換えるとよいでしょう。
また、丁寧な気持ちを表現しようと、「恐縮です」を繰り返し使うと、かえってわざとらしく聞こえる可能性があります。今回ご紹介した、言い換え表現などをうまく組み合わせて使うことをおすすめします。
そのほか、「存じます」を組み合わせた「恐縮に存じます」は二重表現にあたるため、誤って使わないようにしましょう。恐縮には「ありがたく思う」あるいは「申し訳なく思う」という意味があります。そして、「存じます」は「思う」の謙譲語である「存ずる」を丁寧に表現した言葉です。
したがって、「ありがたく思います」もしくは「申し訳なく思います」と「思います」が重なってしまうため、二重表現に該当します。
「恐縮です」は正しい場面で使おう
「恐縮です」は、目上の人に対して申し訳なさやありがたさ、気恥ずかしさなどを感じ、身のすくむような気持ちを表す言葉です。
依頼や謙遜する時などに使える便利な言葉ですが、わざとらしい印象を与えてしまうため、何度も繰り返し使用するのはおすすめできません。また、二重表現にあたるため、「恐縮に存じます」と使うことも避けてください。「恐縮です」の意味を知り、正しい場面で適切に使いましょう。
構成/橘 真咲