近年、Web媒体でニュースを知る機会が増えた一方で、テレビ離れ、新聞離れが加速していると言われている。こうした中、比較的オールドメディアを好むとされるシニア世代のニュースの取得方法には、ここ数年でどのような変化が見られるのだろうか?
NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所はこのほど、全国の60~79歳の男女を対象に「シニアのニュース取得方法」に関する意識調査を実施し、1,350名から有効回答を得た。
テレビが最も高く全年代9割を超す 次いで新聞が高く70代後半は8割超
ニュース(報道情報)を得ている方法について調査した結果(複数回答)を図1に示す。テレビはいずれの年代においても、最も高く9割を超えている。続いて新聞が高く、年代が上がるほど高くなる傾向が見られる。Webサイトは60代で約半数だった。調査対象は全国になる。
図1. シニアのニュース取得方法(年代別)
Webサイトは5年間で5倍 ソーシャルメディアは4倍
2018年の結果と比較し、この5年間でシニアのニュース取得方法にどのような変化が見られただろうか。テレビは変わらず9割を超えている。新聞は15ポイント減少した。最も増えたのがwebサイトとなり、36ポイントも増えている。また、ソーシャルメディアも21ポイント増加した。これはシニア層においてもスマホが普及したことに連動している。
図2. シニアのニュース取得方法(経年比較)
60代後半は特にこの5年間でニュース取得方法に変化が大きい
最後にそれぞれの世代別にどのように変化したか見た結果が表1だ。新聞は全体では15ポイント減らしたが、全世代下がった訳ではない。2023年60代後半のシニアは、5年前の60代前半と比べると、21ポイントも下がっていた。それに対して2023年70代後半のシニアは、5年前の70代前半と比べると、ほとんど変わっていなかった。
Webサイト、ソーシャルメディアは少し若い世代がより影響が大きいが、どの世代も同程度上がっている。全体を見ると、60代後半はこの5年間でニュースの取得方法がより変化したことがわかった。
表1. シニアのニュース取得方法(年代変化)
<調査概要 ―「2023年シニア調査」―>
調査方法:訪問留置調査
調査対象:全国・60~79歳男女
有効回答数:1,350
サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付。
調査時期:2023年1月
出典元:NTTドコモ モバイル社会研究所
構成/こじへい