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デカフェ=高くてまずいをビジネスで変える!東北大学が開発したデカフェのサードウェーブ「超臨界二酸化炭素抽出法」とは?

2024.01.30

睡眠の質を重視する人が増え、コーヒー愛好者の間にも覚醒作用の強いカフェインを取り除いた「デカフェ」を選択する人が増えている。そうしたニーズを受け、大手コーヒーチェーンでもデカフェ商品が増え、デカフェ専門店やデカフェのコーヒーブランドもよく目にするようになった。一方で依然として「デカフェのコーヒーはおいしくない」と敬遠する人は少なくない。

良質な睡眠のために、デカフェを選ぶ人が増えている!?

「でもそれは古いイメージ。デカフェの技術は近年、各段に進化していて、ふつうのコーヒーと比べてもそん色のないものが登場しています。アメリカのコーヒー文化にサードウェーブのムーブメントがあったように、デカフェも今、新時代を迎えようとしているのです」――そう語るのは、カフェイン量が選択可能な新しいコンセプトのコーヒースタンド「CHOOZE COFFEE(以下「チューズコーヒー」)」を運営するストーリーライン株式会社代表の岩井順子氏。

▲ストーリーライン株式会社代表の岩井順子氏。海外の戦略デザインファームでビジネスデザインコンサルティングに従事していたが、娘の妊娠を機にデカフェコーヒーの現状に疑問を抱き、コーヒービジネスの課題解決のために起業

ご存じのようにコーヒーのファーストウェーブは、アメリカでコーヒーの大量生産・大量消費が始まった1960年代。セカンドウェーブが「スターバックスコーヒー」に代表されるシアトル系の深煎りコーヒースタイル、サードウェーブが「ブルーボトルコーヒー」に代表されるハンドドリップで丁寧に淹れるスタイルとされている。ではデカフェのサードウェーブとはどんなものなのか。

デカフェのサードウェーブ「超臨界二酸化炭素抽出法」

カフェインの摂りすぎが人体に与える悪影響が注目され、コーヒーからカフェインを取り除くための研究が始まったのは20世紀初頭。実は、単にコーヒーからカフェインを取り除くだけなら、技術的にはそれほど難しくない。当初は、塩素系溶剤や有機溶剤など、今では禁止されている人体に有害な影響のある溶剤を使用した方法でカフェインを取り除いていた。ドライクリーニング液として一般的に使用されている酢酸エチルを使って抽出したデカフェは日本では使用不可だが、海外では安価なデカフェ商品の抽出用に現在も使用されている。これがデカフェのファーストウェーブだが、人体に有害なばかりでなく、カフェインと同時にコーヒーの味わいも失われるため、一部の人の間でしか広がらなかった。

▲デカフェの進化のイメージ図 ※画像提供:ストーリーライン株式会

セカンドウェーブが起こったのは1940年代以降。安全性が高く、コーヒー独特の味わいもある程度残すことができる「スイス ウォーター プロセス」の登場で、欧米でのデカフェ需要が一気に増大した。この方法はコーヒーの生豆を水に浸して水溶性成分を抽出し、溶け出した水からカフェインだけを除去して、再びコーヒー豆に戻す方法。近年、日本で増えている高品質のデカフェは、この抽出法を採用したものが多い。だがこの方法も、⻑時間水に浸すのでやはりある程度は有効成分が失われ、大量の水を使うため環境負荷も⼤きいという問題があった。

サードウェーブといえるのが、「超臨界二酸化炭素抽出法」。二酸化炭素は通常固体と気体にしかならないが、一定の温度である程度以上の圧力をかけると超臨界流体という、液体と気体を併せ持った状態になる。この状態の二酸化炭素の中にコーヒー豆を通すとカフェインだけを効率よく溶かし出すことができる上、短時間で処理できるため環境負荷も小さい。一方で設備コストが高く、商品も高くなるのが欠点だ。

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