アプリと結婚相談所のニーズは同じなのか?
結婚相談所の市場環境の変化として見逃せないものとして、アプリの台頭も挙げられます。リクルートの婚活調査によると、結婚に至った人のうちでアプリを利用したという人の割合は44.0%に及んでいます。結婚相談所を上回る利用率です。
※リクルート「婚活実態調査」より
婚活アプリには投資家も注目しています。アメリカの大手投資ファンド、ベインキャピタルは「Omiai」を運営するネットマーケティングにTOBを行い、2022年9月に成立しました。ベインは2021年4月にも「with」のイグニスを取得しています。
多額の資金を投じて買収していることからも、アプリの成長性に可能性を見出していることがわかります。
ただし、男女の気軽な出会いを提供するアプリと、真剣交際を前提とする結婚相談所のニーズが異なることも事実。この2つの差別化はすでに図れており、食い合いが起こる可能性は低いでしょう。
アプリの利用者が拡大する中、結婚相談所は成婚の追求に向けた事業展開が求められます。
取材・文/不破聡