世界11か国で人材紹介事業を展開するジェイ エイ シー リクルートメント(JAC)は、同グループ各社が拠点展開しているアジア各国における2023年10月~12月のホワイトカラー人材紹介の市場動向をまとめた。
本稿では、その内容を一部抜粋してお伝えする。
ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧
※日本企業の海外事業関連求人
注)アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。
■全体総括
JAC Recruitment 海外進出支援室 室長 チーフアナリスト 佐原 賢治 氏
10~12月の各国の新規求人数はインドネシアを除いて軒並み前期(7~9月)を下回る結果となりました。
2024年の経済成長率予想は、ウクライナ戦争の長期化や緊張感を増す中東情勢といった国際情勢、金利上昇などによって芳しくありません。また台湾や米国、EUなど各国で行なわれる選挙の結果いかんでは各国の政策や国際関係の変化が予想されることから、求人市場にも慎重ムードが漂っています。
一方、求人の中身に注目をすると、日本人駐在員に替わる幹部ポジションの募集や、デジタルを中心とする高度な専門性を有する人材の募集は各国で増えています。
特に外資系企業の進出が著しいASEAN地域においては、その獲得競争は一層し烈で給与相場も上昇していることから、日本企業にとっては依然として難しい環境と言えます。