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独自の味付けが愉しいボルボの4ドアクーペEV「C40 Recharge ULTIMATE SHINGLE MOTER」

2024.01.21

駆動方式は後輪駆動のシングルモーターへ

 日本への上陸は2021年末からだが、2023年モデルからは、それまでの4輪駆動ツインモーターと前輪駆動シングルモーターのバリエーションを変更。4輪駆動はカタログから落とされ、前輪駆動は、一転して後輪駆動のシングルモーターに改められた。電気自動車という構造上、モーターの位置を動かし、駆動方式を変更するのはたやすいことのようだ。

 ちなみに、駆動方式変更の理由は、「ドライバビリティの向上」(メーカー担当者)だとか。「C40」もモーターの始動と走り出しは、運転者が座席に座り、シフトを動かし、アクセルペダルを踏むだけ。運転席にセンサーが内蔵されており、座ると自動的にスタンバイ体制になり、走ることができる。

 反対に、モーターを停める時は、シフトパネルの横にあるPボタンを押し、ドアを開けて、降りれば自動的に駐車モードになるのだ。この動作も慣れれば、いちいちスタート/ストップボタンを押すことなく、クルマに乗ったり、降りたりすると自動でモーターが動いたり、停まったりする。異次元の体験だった。

 パワーユニットは「XC40」と同じ。電力量は73kWh、最高出力は238PS、最大トルク418Nm。シフトはR/N/Dで、パドルレバーはない。モードは回生モードで、インパネ中央の画角で選択する。回生レベルは2段階+ワンペダルモード。ワンペダルモードは完全停止する設定だ。

 後輪駆動になった「C40リチャージ」のハンドリングは直進時で、やや重めの操舵力をキープ。コーナーではフロントノーズの軽さからハンドルを切りこんだときの動きがシャープ。乗り心地はやや硬めで、このあたりの味付けは「XC40」と異なる。動力性能は、EVらしく、スタートから音もなく、鋭い加速を体験させてくれる。0→100km/hの加速は6秒台。3Lガソリンターボレベルの加速だ。

 クーペルックの室内だが、後席の着座位置はやや高め。足元は狭くはない。ルーフは高めなので、身長170cmクラスでも長距離のドライブは楽しめそう。床面は、中央のトンネルがやや高いので、快適定員は2名。背もたれは、6対4で前倒しでき、荷室の床面とほぼ一体になる。荷室は車体前部のボンネット下にも小型のスーツケースなら収納できそうな空間がある。

 試乗している時に気になったのが、ガラスルーフの存在。ソフトシェードはあるし、UVカットやIRコーティングは施されているが、昨今の日本の酷暑にはとても耐えられない。カタログを見ると、どうやら標準装備のようだが、ノーマルルーフ仕様も必要になるのではないだろうか。「C40リチャージ・プラス・シングルモーター」は699万円~。「C40Cリチャージ アルティメット シングルモーター」は739万円~。

■ 関連情報
https://www.volvocars.com/jp/cars/c40-electric/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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