ファーストカーとしても十分に使える仕上がり
しかし、数値としては出てこない部分で「ルークス ハイウェイスター」は進化していた。最初の明らかな進化は、スタートからの動きだ。レスポンスが向上している。軽くアクセルを踏みこんでも、スタートからのダッシュが鋭い。ただし、音に関しては、タービンからのヒューンという高周波のタービン音の大きさは気になった。もう少し、遮音性を高めると、静かなKカーになるはずだ。
室内の快適性は、相変わらずのハイレベル。前席のシートはクッションに厚味があり太ももをホールドしてくれる。後席も床はフラットで、テーブルも両側にあり、さらに前後スライドで、最前に動かしても、小柄な人なら、乗り降りできる使い勝手のよさも残されている。唯一の不満は、リアドアウインドウの開閉。全開しても1/3ほどウインドウが残ってしまうのだ。以前「セレナ」でもリアウインドウが全開せずに、ユーザーの不満の声が多かったことがあったが、これはぜひ改良してほしい部分だ。
ハンドリング、乗り心地に関してもレベルは上がっていると感じた。直進性に関してはとくに横風に対しての安定性は良い。やや重めの操舵感で、直進する。切り込みもやや重く、安定している。乗り心地に関しては、若干、路面からのザラつきとゴツゴツ感はあるものの、大きな路面のうねりでも上下動は1回で収まり、不安はない。試乗車のタイヤは165/55R15、ブリヂストンの「エコピアEP150」を装着していた。
マイナーチェンジした「ルークス」は、インテリアの素材やカラーを一新し、品質も向上している。ファーストカーとしても十分に使えるモデルに仕上がっている。
■ 関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/roox.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博