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生成AIは「生み出す」技術より「消す」技術に注目?テクノロジーのプロが注目する減損現実の世界

2024.01.26

インターネット、スマートフォン、SNS、AR・VR、ブロックチェーン、そして生成AI。テクノロジーによって生み出されたプロダクトやサービスは当たり前のように私たちの生活に溶け込んでいる。生活が豊かになる一方で、テクノロジーは私たちが理解するよりも速いスピードで進化し、その情報を追い続けるのが非常に難しくなっているのもまた事実である。

この時代に私たちはテクノロジーとどのように向き合っていくべきなのだろうか。電通のR&D組織Dentsu Lab Tokyoに所属し、クリエーティブ·テクノロジスト兼リサーチャーとてして活躍をするなかのかなさん。彼女は「重要なのは好奇心」と語る。その理由について、話を聞いた。

※本インタビューは2023年12月に実施

株式会社電通 なかのかなさん
クリエーティブ・テクノロジスト/リサーチャー
インターネット広告会社勤務を経て2009年より電通。 AR(拡張現実)と位置情報を利用したクーポンアプリ「iButterfly」、脳波によるコミュニケーションツール「necomimi」など、テクノロジーを用いたちょっと未来のコミュニケーション体験を企画している。2022年より、経営層に向けてデジタルテクノロジーの未来を読み解くレポート 『THE TECHNOLOGY REPORT』にもリサーチャーとして参画している。

10年以上前に位置情報ARアプリや脳波測定ウェアラブルデバイスを世に送り出す

「インターネット広告会社での知見を活かしもっと仕事の領域を広げたい」という想いから、電通に入社したなかのさん。なかのさんが入社した2009年1月当時は、前年の7月にiPhone3Gが日本に上陸しスマホが注目を集めていた時期。彼女の初めて任された仕事は「スマホで何かできないか考えてくれ」というものだったという。

なかの:まず思いついたのが位置情報ARでした。カメラがあって、位置情報も認識され、ジャイロセンサーも搭載されている。スマホはセンサーの塊なんです。それらをうまく使えないかと考えて誕生したのが2010年の1月にローンチした『iButterfly』という位置情報ARアプリです。

2010年1月にローンチしたスマホアプリ『iButterfly』使用イメージ

――2010年に位置情報ARアプリですか?

なかの:はい、早すぎる『ポケモンGO』でした(笑)。当時のスマホのマシンスペックではAR上で物体を地面に立たせることができなかった。だから空中をふわふわと飛んでいる蝶をモチーフにして、蝶を捕まえるとクーポンがゲットできるというゲームだったんです。ガラケーにはジャイロセンサーも搭載されていないので、ARはできません。スマホならではなんですよ。

――いまでこそ『ポケモンGO』(2016年リリース)で位置情報ARゲームという認識が私たちの中にありますが、当時はスマホの所有率も低く、かなり時代を先取りした感じがしますね

なかの:でも、やっとの思いで「スマホで何ができるのか」というミッションを終えたと思ったら次の仕事は「スマホの次は何がくる?」というものでした(笑)。

――スマホがこれからという時代にすでにスマホの次なんですね

なかの:はい。当時、ブログサービスからSNS文化に移行するかどうかというタイミングだったのですが、私が面白いと感じたのは「いいねボタン」でした。

今でこそ、SNSでは当たり前に搭載されている機能ですが、当時は画期的な機能でした。「良い」「面白い」「楽しい」、こういったコミュニケーションをボタン一つで表現できる。一方で、その利便性の先、究極的には人間は何もしなくて済む未来にたどり着きます。だったら、何もしなくても脳波からコミュニケーションをダダ洩れにしてしまう未来を作ってみようと思って開発したデバイスが「necomimi」です。

当時は珍しかった脳波センサーを搭載した猫耳カチューシャ型ウェアラブルデバイス

2011年の春にコンセプトモデルを発表すると、海外でも話題になってSiriと並んでTIME誌の「世界の発明50」に選んでもらえました。その結果、2012年に商品化、2021年にもアップグレードされた新モデルが発売されました。

――脳波を自動で測定ということは、つまりウェアラブルデバイスですよね。当時、ウェアラブルデバイス市場は注目されていたのですか

なかの:今で言うApple Watchのようなウェアラブルデバイスも当時はまだまだ市場に少なく、身につけるだけでトラッキングしてくれるフィットネスデバイスが出始めたかなという時期でしたね。

伝統文化「金継ぎ」が最先端アップサイクルのヒントに

ARにウェアラブルデバイス。10年先のテクノロジートレンドを掴み、プロジェクトリーダーとしていち早くプロダクト化を成し遂げてきたなかのさんは、今、どのようなテクノロジーに注目し、何を生み出そうとしているのだろうか。

なかの:いま、Dentsu Lab Tokyoでプロジェクトを進めているのが「アップサイクル」です。きっかけになったのが、2020年に『nature』で発表されたことのある論文なのですが、2020年には地球上で人工物の重さが自然由来の物の重さを超えるというものがありました。

しかし、私たち人類としては新しいものを創造するという文化を捨てるわけにもいきません。そこで注目したのが「直す権利」です。日本には「金継ぎ」という修復方法があります。金継ぎの考え方なら「直す」行為をアップデートできると思ったんです。

温度を変化させるパーツを金継ぎしたカップや茶碗

割れたコップを金継ぎで修復をするのと同時に、温度を変化させるパーツを組み込みました。ネッククーラーなどにも使用されている仕組みですが、電流の向きで温かくしたり冷やしたりすることができるため、この部品をコップの口に当たる部分を継ぎ足すことで、温度が変化するコップを作り上げることができます。

金継ぎの手法を用いて直し方をアップデートすることで、「修復」だけでなく「創造」も可能になります。いまあるプロダクトにアイデアを加えるだけで新たなプロダクトを生み出すことができるので、プロジェクトチーム・メンバーで楽しみながら、LED搭載のビニール傘や左右で温度が異なるお皿などいろいろなプロダクトを試作してみました。


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