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先進的な装備と圧倒的なコスパで注目を集めるBYDのコンパクトハッチバック「ドルフィン」の完成度

2024.01.18

EV補助金とエコカー減税で65万円の補助金が出ると298万円という圧倒的なコスパ

 ハンドリングだが、試乗した「ドルフィン ロングレンジ」は、フロントにストラット式、リアにマルチリンク式を組み合わせていた。操舵感は、街中から中速域までは、やや軽めの感じ。車速が高くなると、手応えのある入力を感じた。乗り心地はやや硬め。タイヤはブリヂストンの「エコピアEP150、205/55R16」を装着していた。

 サスペンションだが、44.9kWhモデルは、フロントのストラットは同じだが、リアはトーションビーム式を採用している。この方式の違いは乗りくらべて見ればわかるが、今回は時間もなく、見送ることにした。「ロングレンジ」の走りに関しては、高速走行で若干安※定感に欠ける動きも感じされたが、コンパクトEVとしては合格点をオーバーする出来栄えといえる。

 室内のクオリティーも高い。前席はハイバックシートで、着座位置はやや低め。座席は背中から太ももにかけてのホールド感がよい。座席の素材も肌さわりが良い。「ATTO3」でも採用されていた縦にも横にも回転する液晶パネルは「ドルフィン」にも採用されている。デザインはドアノブがイルカ(ドルフィン)のフィンをモチーフにするなど、遊び心も採り入れられている。

 後席はやや高めの着座位置。座面の形状は平板だが、足元は狭くない。床面は平らなので、中央に大人が座ることができ、定員は3名。身長170cmクラスも頭上の圧迫感は少ない。背もたれは6対4で、前倒しでき、荷室とほぼフラットな床面になる。

 後席での不満は、唯一、ドアウインドウが全開せず、3分の1ほど残ってしまうことだ。荷室は同じようなサイズのトヨタ「CH-R」と比較すると、やや小さいが、床下のサブトランクは深さ約180mmもあり、使い勝手は悪くなかった。ここに充電ケーブルなども収納できた。

 今回は限られた試乗時間だったため、自宅での充電などは体験できなかったので、使い勝手に関しては完全なレポートはできなかった。しかし、試乗中の電費は約6.5km/kWhと表示されていたので、一応、合格点と言える。

 最後に車両価格と支払い金額だが、ノーマルレンジで363万円だが、EV補助金とエコカー減税で65万円の補助金が出ると298万円。人気の軽EV、日産「サクラ G」の車両本体価格294万円に近い。もちろん「SAKURA」はこの金額から補助金を引くとしても、BYD「ドルフィン」は魅力的な車両本体価格で、日本市場に登場したと言える。

◆関連情報
https://www.byd-japan.com/model/byd-dolphin

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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