電子パーキングブレーキ、AC100V/1500Wコンセントの設定にはやや不満も
そうそう、オデッセイの2列目席はキャプテンシート(ベンチシート仕様なし)に着座してみれば、パワー化はもちろん、アームレスト、ミニトレー、折り畳み式テーブルの高級感が新しい。前型はプレミアムクレードルシートと呼ばれ、シート表皮下に20mmほどのウレタン層を用いていたシートのソファ感覚のかけ心地の良さは今も健在(フレーム、クッションなどは不変だそうだ)。居心地そのものは文句なくレベルアップしている。EXグレード以上は本革シートとなり、一般的には硬めのかけ心地になるのだが、このプレミアムクレードルシートを基本とした新本革パワーシートのかけ心地は体に優しい一流の仕立てであることを確認できた。ちなみに2列目キャプテンシートはロングスライドも可能で、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で膝周り空間は実測約780mm!!に達する。最新のアルファードが同530mmだからその差は歴然。前席が遥か遠い・・・と思えるほどの足元の広さが自慢である。
ただし、5代目国内仕様で不満だった電子パーキングブレーキの作動に関しては、そのままだ。つまり、発進する際は、アクセルペダルを踏めば自動解除されるのだが、パーキングブレーキをかける際は、インパネ右端のスイッチによる手動なのである(今や軽自動車のN BOXだって全自動だ)。それも作動方向が逆だったりして、改善を願っていたところだが、そうはならなかったのが残念。また、e:HEVモデルにトヨタや日産のHVミニバンにも用意されるAC100V/1500Wコンセントの設定がないのも(e:HEVステップワゴンも)、アウトドアや車中泊全盛の時代、そして災害時の電源供給の可否としても、これまた残念である。
とはいえ、国産ミニバンの中で、オデッセイの属するLクラスは(アルファードやエルグランドはLLクラス)ほぼ唯一の存在であり、またこれほどまでにスポーティに気持ち良く走れるミニバンはそうはない。その意味では貴重な1台の復活と言っていい。
文・写真/青山尚暉