「ガラパゴス現象」からの回避
タクシー会社以外の業者の参入を認めつつ、ハイヤーに対する料金規制の緩和や地域・時間帯の制限を課さない方針を定める。それにより、日本版ライドシェアはガラパゴス現象から逃れる道筋を見出すことができる。
もっとも、今の段階ではそのような方針を定めたわけではなく、そうするための下準備をしている最中に過ぎない。冒頭にも書いたように、議論が進められているガイドラインほど軟調なものはない。
そのあたりに注意する必要はあるものの、「“日本版ライドシェア”はタクシーの補完に過ぎないのでは?」ということは会議に参加する有識者もしっかり認識しているようだ。
が、そうであったとしても中間答申の中に「タクシー、バス事業者など既存事業者との“共存共栄”に最大限の配慮を行う必要がある」という文言を入れている点は見逃せない。政府も会議の参加者も、ライドシェア事業を解禁する上で最も恐れているのはこの部分ではないか。
そうしたこともあり、今は誰しもが桜の咲く季節を静かに待っている。
法改正には数年の時間が必要か
今年4月から日本版ライドシェアの運行が始まる見込みだが、これはやはり実証実験としての側面も多分にある。
日本版ライドシェアの解禁により、どの業者がどれだけ手を挙げるのか。また、どのような新サービスが開発されるのか。それらを全て見越してからの本格的な法改正となると、どうしても年単位の時間がかかってしまうだろう。
しかし、日本におけるライドシェアの構築は着実に進められている。
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【参考】
規制改革推進会議 国家戦略特別区域諮問会議 合同会議 議事次第-内閣府
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/231226/agenda.html
取材・文/澤田真一