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マネジメントの新しい思考法「OODA」を理解するための3つのポイント

2024.01.24

2023年のビジネス用語検索数で、多かった言葉のひとつがOODA(ウーダ)だった。これまでよく使われてきたPDCA(ピーディーシーエー)サイクルとOODAループでは、どこがどうちがうのか?3つのポイントをおさえながら、マスターしていこう。

ポイントその1)
PDCAは品質管理の学者が唱えた改善手法

新しくものごとを理解する時、そのルーツを知っておくと本質が理解しやすくなる。PDCAとOODAもその誕生を知れば、きっと理解が進むはず。PDCAを提唱したのは、品質管理研究の第一人者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士(1900~1993年)である。TQM(総合品質管理)の進歩に貢献した企業や組織を表彰する、デミング賞を聞いたことがある人は多いはず。

ビジネスパーソンがPDCAに出会うのは大学の授業か、マネジメントシステムのISO 9001やISO 14001取得の時だろう。マニュアルには必ず「PDCAサイクルを回す」という言葉が入っており、会議でも取得現場でも耳にタコができるほど聞かされたはず。

PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のことで、このサイクルを繰り返すことで、管理業務を継続的に改善していくやり方である。PDCAサイクルといって、最後のAction(改善)が完了して終わりではなく、さらに最初のPlan(計画)に戻って循環しながら向上していくのが特徴である。

最初はデミング博士が唱えた製造業の品質改善手法だったが、ISOで取り入れられるようになってからは、経営管理全体を向上させるための手法としても採り入れられている。

経済産業省資源エネルギー庁ISO50001エネルギーマネジメントから出展

ポイントその2)
OODAは戦闘機乗りのための思考法

一方、OODAは、「Observe(観察)」「Orient(方向づけ)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」という4つの活動の頭文字をつなげた言葉である。そのルーツは朝鮮戦争時代に米国空軍のパイロットとして活躍し、のちに教官となったジョン・ボイド氏(1927~1997年)が提唱した思考法にある。

戦場でパイロットたちが瞬間的に正しい判断ができるように考えられた、航空戦術の思考法がベースとなっている。PDCAのように、計画して、実行して、評価して、改善するといったサイクルをぐるぐる回しながら行動していたら、パイロットは撃ち落されてしまう。瞬時に正しい判断が求められる場面のための思考法なので、OODAでも4つの事柄は瞬時に行われる。したがって、OODAは順番を重んじた「サイクル」ではなく、輪を意味する「ループ」という言葉がつく。

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