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24円で買えるXiaomi「13T Pro」、10万円切りのモトローラ製折りたたみモデル「razr 40」、ソフトバンクのスマホが激安すぎる理由

2024.01.20

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、ソフトバンクのスマートフォンの価格設定について会議します。

〝10万円モデル〟は切り折りたたみ市場を活性化する?

石野氏:「razr 40」は結構売れているみたいですよ。

法林氏:意外と安く買えるからね。

房野氏:ソフトバンクはすごいなと思いました。

石野氏:「Xiaomi 13T Pro」も好発進しているみたいです。

房野氏:実質24円ですからね。

石川氏:結局、売れ行きは割引価格次第じゃんっていう話でもあります(笑)

石川氏

石野氏:ソフトバンクがうまいのは、なんだかんだいって20万円くらいする端末はあまり割り引いていない。10数万円前後の端末をかき集めて、ギリギリまで割引をするやり方はうまいですよね。

房野氏:Xiaomi 13T Proはどのような仕組みで安くなっているんですか。

石野氏:「実質」24円なので、2年間端末を使ってソフトバンクに返却することで、残債がカットされるという仕組み。一括だと12万円弱ですが、MNP割引で約2万円引く。そこから24円を最初の2年で分割して、残債の9万円程度を残りの2年間で分割するので、2年で端末を返せば、残債が免除される。
(※2023年12月27日からプログラムの仕組みが変更されています。内容は12月下旬の取材時)

石川氏:前半の24回分割と、後半の24回分割で支払う額が全然違うということです。ただし、本当に持続可能なビジネスなのかは疑問。まだiPhoneならあり得るけれど、Androidスマートフォンは2年後には価値が落ちることが多く、回収前提で実質24円という値付けはちょっとおかしいなという気もする。もしかすると、2年後の端末返却の数があまり多くないと目論んでいるのかもしれません。

法林氏:端末スペックはもはや、飽和状態と言える。2年前くらいの端末なら普通に使えるものも多い。そう考えると、Xiaomi 13T Proは、2年後に中古で売れるかなとも思います。

石野氏:売れるとは思いますが、さすがに9万円といった高値にはならないですよね。

石川氏:そう。だから持続可能なビジネスなのかは気になる。あと、OSのアップデート期間のことを考えると、他機種より長めに設定されているiPhoneかPixelが、最有力の選択肢となりそうなので、アップルとGoogle以外のスマートフォンメーカーは厳しくなっていきます。

法林氏:PixelはAndroidスマートフォンの中でも特殊だからね。

石川氏:結局、プラットフォームを持っている会社のスマートフォンが強いですよね。

房野氏:Xiaomi 13T Proとauから出るXiaomi 13Tは、グローバル市場でも販売されていますよね。

法林氏:販売はされているけれど、日本版はFeliCaが搭載されているから内容は違う。

石野氏:日本向けにカスタマイズされています。

法林氏:FeliCaが使えれば、中古で売りやすいという説がある。もう1つ、気をつけないといけないことがあって、一括払いの価格や分割の価格が注目されているけれど、キャリアの仕入れ価格は、iPhoneに比べると、はるかに安いということ。キャリアの下取りへの負担は、結果的に軽くなっている可能性が高い。

石野氏:そうですね。調達価格が安いと、端末が返却されれば、ユーザーに支払いを免除した額の半値くらいは回収ができそう。だから、ギリギリ可能なビジネスモデルなのかなと思います。20万円近い端末では設定していませんしね。

法林氏:Xiaomi 13T Proの一括価格は11万4480円。これを8万円で仕入れているのか、6万円で仕入れているのかはわからないけれど、仮に5万円で仕入れていたとしたら、ユーザーが大容量プランを契約してくれれば、キャリアのビジネスとしては成り立つのかなと思います。

房野氏:搭載チップはMediaTekですし、キャリアにとっては仕入れ原価が安い端末なのかもしれませんね。ただし、電気通信事業法が改正されたら、Xiaomi 13T Proのような端末の販売価格は変わるのでしょうか(※取材時)。

石川氏:上がるかもしれませんが、わかりません。

法林氏:ソフトバンクの人に話を聞いたら、劇的に高くなったり、安くなったりといったことはしないと聞いています。

石野氏:2023年12月27日から、端末割引の許容範囲が税込4万4000円になるので、実質24円の販売価格が、実質2万円、3万円に変更される可能性はあるけれど、そこまで極端に上がるわけではないという意味ですね。

石川氏:分割代金を、支払い期間の前半は安めに、後半は高めに設定するとか、いろいろ工夫はできる気がします。

石野氏:razr 40くらいの価格帯だと難しいけれど、10万円未満の端末なら大幅な割引設定は可能な気がしますね。割引の幅自体は従来の2万2000円から拡大しているので、大幅に値上がりすることはないと思います。ただし、今のほうが自由度は高い。

法林氏:割引は最大4万4000円だけれど、販売価格が8万8000円以下の端末は半額までに割引ができるし、「大容量プランに加入する」といった条件も付けることは可能です。

房野氏:ソフトバンクはPixelシリーズも積極的に取り扱っていますが、ほかのAndroidスマートフォンでも、大幅割引をする意味はあるのでしょうか。

法林氏:ソフトバンクとしては、PixelもほかのAndroidスマートフォンも両方売りたいはず。iPhone一辺倒の現状をなんとかしたいと言い続けています。

石川氏:Leitz Phoneやバルミューダフォンなどの端末を販売することで、差別化を図ってきましたしね。

Leitz Phone 2

法林氏:ソフトバンクは、iPhoneのユーザーが多いけれど、iPhoneの価格が上昇したことで、徐々にAndroidユーザーが増えています。iPhoneから他メーカーのスマートフォンに買い替えるユーザーがMNPで他キャリアに行かないように、ソフトバンクはPixelやほかのAndroidスマートフォンのラインアップを充実しなければいけない。

石川氏:iPhoneやPixelは3キャリアで扱われているので、各社どれくらいの原価で納入しているのかが、なんとなくわかる。一方で、ソフトバンクが用意している独自端末だと、仕入れ原価はブラックボックスなので、販売価格で攻めることができる。

房野氏:ソフトバンク版の「razr 40s」もそうですよね。

石野氏:Galaxyが牽引している折りたたみスマートフォン市場ですが、ソフトバンクはGalaxyを取り扱っていないから、razrを推している。そこは否めないです。

法林氏:2023年の夏までは、圧倒的にGalaxyが優勢だった。Pixelから折りたたみスマートフォンが出たけれど、重すぎて、今ひとつ一般のウケは弱かった。一方、モトローラがリリースした「razr 40 ultra」は、カバーディスプレイに大画面を搭載した縦折りスマートフォンで、Galaxyよりも登場が早かったため、注目された。

「razr 40 ultra」を国内向けに発表した時、一部では「安価な『razr 40』を、なぜ出さない?」と言われていたけれど、ソフトバンクはしっかり、仕込んでいた。FeliCaを搭載するため、ソフトウエアを修正したり、認証を取るための、準備期間が必要だったんだろうね。

razr 40 Ultra

房野氏:売れ行きは、Galaxyとモトローラのどちらが好調なんですか?

石野氏:市場的にはまだGalaxyでしょう。

法林氏:面白いのは、僕らのようなメディアやモバイル業界の関係者は、横開きのスマートフォンを買う人が多いけれど、世間的には縦折りが主流なんですよね。ユーザー層としては、若い世代の女性が多い。

房野氏:若い世代はフィーチャーフォン(ガラケー)を使ったことがないはずなのに、縦折りタイプが人気なんですね。

石野氏:今は「Y2K」など言われる、2000年ごろの流行を取り入れるのがブームなので、その流れかもしれません。

石川氏:我々のように、かつてフィーチャーフォンを使っていた世代の多くは、スマートフォンのストレート形状が新鮮だったけれど、今の若い世代はスマートフォンの形に慣れているから、逆に折りたたみが新鮮なのかもしれませんね。

法林氏:ここ10年くらい、ケータイの形は、板状のスマートフォンばかりだからね。

石野氏:あとは、純粋に「置いて使える」というのが人気らしいです。

房野氏:置いて写真を撮ると、下からなめるようになるので、足が長く見えるといった効果もあるらしいですよ。

法林氏:今回、razr 40sがソフトバンクで取り扱われたので、2024年はOPPOやXiaomiの折りたたみスマートフォンがソフトバンクから発売される可能性もありそう。

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