健康寿命だけでなく、メンタル不調や仕事のパフォーマンスにも深く関係するなど、現代のウェルネスにおいて大きな注目が集まっている睡眠だが、実際に自分の睡眠はどうなのか?
それを知ることができる宿泊施設がある。耳鼻科医でもある水島豪太先生が立ち上げた「SLEEPLAB THE STAY」だ。
「かつてない眠りを味わいながら、睡眠医療のノウハウで眠りを分析できる」というコンセプトのこの宿泊施設をなぜ水島先生はオープンさせたのか?
いま一番自己投資するべきは「睡眠」。生活習慣病や鬱、認知障害の予防のほか、年間約32万円分のパフォーマンスUPも
「患者さんと接する中で何より感じているのは、みなさんとても勤勉でよく働かれているなぁと実感すると共に、それに伴ってメンタル不調が確実に増えているなと。僕は耳鼻咽喉科が専門ですから、睡眠時無呼吸症候群が割と身近な疾患ということもありますが、こういった現状を改善するために一番大切なのは何かなと考えたときに、やっぱり睡眠なんですよね。」
睡眠に何らかの問題がある場合、高血圧・心不全・脳血管障害などの生活習慣病の準備段階とも言われるほか、認知症の発症リスクが高くなることが報告されている。加えて、日中の倦怠感や眠気を誘発するなど、集中力や作業能率に大きく影響し、日々のパフォーマンスの低下にもつながるのだ。
「睡眠のクオリティを上げることで、年間、約32万円分の生産性がUPすると言われています。また不眠症は生活習慣病のみならず、鬱の代表的な初期症状と言われているように、質の高い睡眠は健康の土台であり、生活の質を大きく好転させてくれるもの。ですから本来は、一番自己投資をするべきなのが睡眠だと思うんです。」
不眠症を発症している人は成人のおおよそ44.8%。日中に睡魔が襲ってくるなら、すでに睡眠障害を発症しているかも!?
このように、近年、睡眠が私たちに与えてくれる多大なるベネフィットが明らかになっているのにも関わらず、日本は世界でも有数の睡眠負債大国と言われている。睡眠時無呼吸症候群の割合が成人の3~5%と高いことをはじめ、不眠症を発症している人は成人のおおよそ44.8%、実に2人に1人とする調査結果もあるほど。その反面、医療機関への受診率はわずか5~10%程度だとされており、自分でも気がつかないうちに睡眠障害を抱えている人の多さが窺われる。
「睡眠が足りている気でいるけど、実は足りていない方は非常に多いと思います。疲れが取れない、日中に眠気が襲ってくる、パフォーマンスを発揮できていない、それなのに本当に良い睡眠を知らずにその状態が当たり前になっているので、ネガティブに捉えることが出来ていないんです。」
そこで水島先生が考えたのが、最高の環境で睡眠を体験してもらい、普段の睡眠と比べることで自分の睡眠状況に関心を持ってもらおうというもの。
「SLEEPLAB THE STAY」には、カーテンに囲まれた落ち着いた空間に、世界の一流ホテルで使用されている寝具が配置されている。体内時計を意識した入眠のための照明プログラムが用意されているほか、睡眠障害の症状に合わせたオリジナルのアニティも使用できる。
「睡眠は簡単なようで結構簡単じゃないんです。質のいい睡眠を取るためには様々なアプローチが必要ですが、睡眠環境も極めて大切です。まずは睡眠のために整えられた環境で眠ってもらい、少しでも質のいい睡眠を体験してもうらことで、いかに普段、睡眠を疎かにしているか、睡眠が足りていないか、そういったことと向き合うきっかけになればいいなと考えています。」
自分の眠りを数値化。医師が運営するからこその検査メニューも体験可能
「SLEEPLAB THE STAY」が注目されるワケは、施設面だけではない。
「希望いただければ、アプノモニターなど、睡眠時の呼吸の状態や睡眠時間などが分かる検査機器を使用することも可能です。その際に何か気になることや問題が見つかれば、提携する医療機関と連携して、一人一人に適した丁寧なウンセリングと治療を提供することもできます。睡眠時無呼吸症候群だということが分かって、CPAPを着用して眠るようになってから人生がガラッと変った方を何人も見ています。」
毎朝スッキリしない、日中にどうしようもなく眠くなる、なぜか疲れが取れない、そんな症状に心当たりがあるなら、極上のマットレスで眠りにつきながら自分の睡眠と向き合ってみる週末もおすすめだ。