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全国の金融機関ランキングで信用金庫が5年連続でシェアを拡大した理由

2024.01.15

都道府県別〜1行単独「シェア過半」は22県、長崎県の十八親和銀行は唯一の80%超

1行単独で過半数のシェアを占める都道府県

企業がメインバンクとして認識している金融機関を各都道府県別にみると、「埼玉県」(埼玉りそな銀行)のほか、「東京都」「愛知県」(三菱UFJ銀行)、「兵庫県」「大阪府」(三井住友銀行)の5都府県で、メガバンクがトップシェアとなった。一方、42道府県では地方銀行・第二地方銀行がトップシェアを占めた。

都道府県シェアで最も高いのは「長崎県」の十八親和銀行で、県内シェア84.42%を占め、1行単独シェアとしては唯一80%を超えたほか、前年からシェアが0.12p増加した。「和歌山県」(紀陽銀行:県内シェア63.43%)、「島根県」(山陰合同銀行:同62.05%)、「奈良県」(南都銀行:同60.78%)、「宮崎県」(宮崎銀行:同60.59%)の5県は1行単独シェアとして60%を超えた。

2022年にシェア60%超を占めた愛媛県:伊予銀行は、23年は59.77%と0.51pt減少し、単独シェア60%超の都道府県は前年から1県減少して5県となった。

ただ、上位5県のうち近畿2県(和歌山県・奈良県)ではシェアが減少しており、他県を地盤とする地銀のシェアが伸長するといった侵食もみられる。

都道府県別「トップシェア」金融機関

1行で県内シェア50%超を占める「単独過半数」の都道府県は合計20に上り、22年に引き続き変化はなかった。既に経営統合が発表されている「青森県」(青森銀行+みちのく銀行:シェア70.67%)、「福井県」(福井銀行+福邦銀行:同55.38%)を加えると、単独過半数シェアの都道府県は計22となる。

「愛知県」では経営統合する愛知銀行と中京銀行のシェア合計は約1割にとどまるものの、県内トップシェアの三菱UFJ銀行に次ぐ県内2番手の規模となる。「長野県」(八十二銀行+長野銀行:同61.65%)は、八十二銀行単独で県内シェア50%を超える。一方、福岡県における福岡銀行と福岡中央銀行のシェア合計は38.35%にとどまった。

今後の見通し

■金融再編で問われる「リテールバンク」の存在意義、密着型の経営支援で信用金庫・組合に勝機

経営統合や合併を軸とした地銀の合従連衡など、「地銀再編」が再び進みつつある。今年6月には、神奈川県下で横浜銀行と神奈川銀行が経営統合し「1県1行体制」へと移行した。

経済規模の大きい首都圏エリアでも将来的な先行きに対する危機感は強く、「地銀再編」圧力を無視できない要因となっている。もともと、地場産業の衰退による融資先の減少などコロナ禍前から厳しい経営環境を余儀なくされてきた地方銀行では、営業エリアの重複解消や店舗・人員など組織のスリム化に向けた動きが進んでいた。

「十八親和銀行」1行単独でシェア8割超を占める長崎県をはじめ、手数料の引き上げや店舗整理に伴う利便性悪化、競争低下による融資への悪影響など、「借り手側」に不利になるとして問題視された「1県1行」体制は、地域経済の停滞に対する危機感を背景に着実に進んでいる。

今後も、同一県内における地方銀行の「経営統合」や、広域にわたる地銀同士のアライアンス(連携)、合併といった動きは増えるものとみられる。

他方で、相次ぐ地銀の統合により「地域の中小零細企業にきめ細かい対応ができるのか」という懸念もあり、ゼロゼロ融資などで存在感を高めた信用金庫が、地域企業の新たな受け皿として急速に台頭している。

近時は、中小企業の事業承継問題やデジタル変革(DX)、脱炭素対応など前向きな資金需要に加え、コロナ融資などで過大な債務を背負った中小企業の事業再生を支援する役割も金融機関に求められるようになった。

こうした外部環境も背景に、地域の中小企業に特に密着した=「小回りの利く」融資や経営問題の解決ノウハウに長けた信用金庫の強みが発揮されていることも、シェアが大幅に拡大している要因とみられる。

 低コストでの送金や口座維持手数料の無料化など、利便性の高い決済機能面を強みに攻勢を強めるネット銀行など、店舗型金融機関に代わる新たな受け皿も存在感を高めつつある。

融資先企業のニーズに沿った金融・経営支援を持続的に展開できる経営基盤の強化が、企業における「メインバンク」の選択を左右するとみられる。

出典/株式会社帝国データバンク

関連情報
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p231208.html

構成/清水眞希

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