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こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。
Xさん
「試用期間中に解雇されました……。仕事ができないって言われて」
社長
「試用期間って〈お試し〉なんだから解雇できるでしょ!」
シャラップ!解雇は難しいです。そんなカンタンに認められません。
以下、
・試用期間中の解雇はゲキムズ
・解雇ダメと判断された事件
・解雇OKと判断された事件
など分かりやすく解説します。
ほとんどの会社が試用期間を採用
ほとんどの会社の就業規則には以下のような規定があります。
・試用期間は3ヶ月とする
・試用期間中に不適格と認めた者は解雇することがある
Q.
「不適格な人は解雇できる」って書いてあるじゃないですか!
A.
いや。「ちょっと不適格だから解雇だ」は通らないんです。ネットで買った服なら「サイズが合わないから返品」できますが、人ですからね。新人がちょっと仕事ができないからといって会社が自由にキャンセル(=解雇)できないんです。
試用期間でもディフェンス最強
試用期間って、名前からして【おためし】のニュアンスがあるんですが、アナタは法律的にいえばカナリ強力に守られているんです。なぜなら、あなたと会社との間には解約権留保付労働契約というものが締結されているからです。
試用期間中とはいえ、チョー強い【契り】が結ばれているのです。なのでそんなにカンタンに解雇することはできません。
解雇はゲキムズ
そもそも解雇って、チョーむずいんです。裁判官は「会社さんさぁ〜、その解雇に合理的な理由あるの?」をゴリゴリにジャッジします。以下の条文に基づくジャッジです。
労働契約法 第16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
で、ちょっと仕事ができなかったとしても、裁判官が「この解雇はOK、合理的だ」と判断することはありません。
※ 厳密にいえば試用期間経過後の解雇に比べて試用期間中の解雇はちょっと認められやすくなるんですが、解雇がムズイことに変わりはありません。