生成AIソリューションの迅速な実証、共創、拡充が可能に
アクセンチュアはジェネレーティブAI(生成AI)へのニーズの高まりに対応するため、アジアおよびラテンアメリカ市場の9か国に生成AIスタジオを設立すると歯票した。
日本、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、メキシコ、フィリピン、シンガポールの各スタジオは、アクセンチュアのデータおよびAIの専門家、エコシステム・パートナー、スタートアップ企業やさまざまな戦略的投資と顧客をつなぐ役割を担い、同社の責任あるAIフレームワークを基盤として、生成AIソリューションの迅速な実証、共創、拡充を可能にするものだ。
※インド、シンガポールは設立済み。
今回の発表に際してアクセンチュアの成長市場担当CEOであるレオ・フラミール(Leo Framil)氏は、次のように述べている。
「AI活用の実証実験期から本格導入期へ移行し、バリューチェーン全体にわたる、複雑なビジネス課題の解決に活用したいと考える企業が増えています。また、企業は、生成AIがこれまでにない新しいリスクをもたらし、適切な対応が必要であることも認識しています。
アクセンチュアはお客様との対話や既存のプロジェクトに基づく幅広い知見を有しており、また、さまざまな人材や業界とのパートナーシップも豊富です。アクセンチュアの生成AIスタジオは、これらの知見・経験、ノウハウを生かした、オーダーメイドのソリューションおよび責任あるAI活用で、お客様のビジネス全体の改革を支援します」
アクセンチュアの最新グローバル調査によると、アジア太平洋地域の経営幹部の77%(日本では73%)が、実証実験から独自のデータ基づく基盤モデルへ移行するため、2024年にAI関連の支出を増やすことを計画。 ラテンアメリカの経営幹部も84%が同様のことを計画しているという。
■企業が生産性の向上とビジネス成長を実現するために幅広い支援を提供
これらの結果を踏まえ、アクセンチュアの成長市場におけるAIとデータ分野を統括するヴィヴェク・ルースラ(Vivek Luthra)氏は次のように話す。
「生成AIの可能性を最大限に引き出すためには、最新のクラウドと基幹システムを含むデジタルコアの揺るぎないデータ戦略を持つことが不可欠です。アクセンチュアの生成AIスタジオは、データとAIに対する既存の投資を強化し、お客様企業がAIの本格導入で生産性の向上とビジネス成長を実現するための幅広い支援を提供します」
アクセンチュアの生成AIスタジオは、ネットワーク全体で業界や機能に関する幅広いニーズに対応する。本スタジオは、拠点ごとに銀行、保険、電気通信、公共、製造、再生可能エネルギー、化学、鉱業といった特化した専門産業を有している。
アジアおよびラテンアメリカの生成AIスタジオは2024年1月に稼働を開始する予定だ(アルゼンチンとメキシコは2024年後半に設立予定)。
今回発表する新たな生成AIスタジオの拡充は、アクセンチュが取り組んでいる、AI・データ関連事業への30億ドルの投資の一環で、すでに生成AIスタジオネットワークは北米の6か所に広がっている。
同社では、得意先企業がビジネスニーズに合わせてカスタマイズされた大規模言語モデルを構築するための専門サービスの立ち上げも先日発表している。
構成/清水眞希