2024年3月1日から改正戸籍法が施行され、戸籍謄本等に関する「広域交付制度」が導入されます。
従来は本籍地の市区町村でしか戸籍謄本等を取得できませんでしたが、広域交付制度の導入により、本籍地以外の市区町村でも戸籍謄本等を取得できるようになる予定です。
本記事では、戸籍謄本等に関する広域交付制度の概要やメリットなどを解説します。
1. 広域交付制度とは
広域交付制度とは、本籍地以外の市区町村の窓口において、戸籍証明書や除籍証明書を請求できる制度です。2024年3月1日以降、改正戸籍法の施行によって新たに広域交付制度が導入されます(改正戸籍法120条の2、120条の3)。
1-1. 広域交付制度の対象となる証明書類
広域交付制度に基づいて交付を請求できるのは、磁気ディスクをもって調製されている戸籍・除籍に係る戸籍証明書等(=戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本。以下「戸籍謄本類」)です。
これに対して、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍の謄本については、広域交付制度の対象外とされています。
1-2. 広域交付制度を利用できる人
広域交付制度を利用して戸籍謄本類を請求できるのは、以下のいずれかに該当する人です。
・本人
・配偶者
・直系尊属(父母、祖父母など)
・直系卑属(子、孫など)
なお、広域交付制度を利用した請求は、代理人によって行うことは認められていません。上記のいずれかに該当する人が、必ず自分で市区町村役場の窓口に行って手続きを行う必要があります。
また、弁護士や司法書士などに認められている「職務上請求」についても、広域交付制度の利用は認められていません。