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戸籍謄本などが本籍地以外の役所でも取得可能に!今年3月に施行される「広域交付制度」とは?

2024.02.04

2. 広域交付制度を活用するメリットと注意点

広域交付制度を利用すれば、本籍地と住所地が異なる方でも、住所地の市区町村役場において戸籍謄本を取得できます。従来は郵送などで請求する必要があったのに比べると、手間が省けて便利になるケースが多いでしょう。

また、特に相続の場面においては、広域交付制度を利用するメリットが大きいと考えられます。

亡くなった家族の遺産を分ける際には、相続人が誰であるかを確定しなければなりません。相続人の確定は、戸籍謄本類を参照して行います。

相続人の確定に必要な戸籍謄本類は、さまざまな市区町村に散らばっているケースが多く、すべてを集めるのは非常に大変でした。広域交付制度を利用すれば、必要な戸籍謄本類の大部分を1回の手続きで揃えられる可能性があります。

ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍簿・除籍簿については、広域交付制度を利用して謄本を請求することができません。また、本人の兄弟姉妹が広域交付制度を利用して謄本を請求することも不可とされています。

したがって、広域交付制度を利用したとしても、必要な戸籍謄本類がすべて揃うとは限りません。揃えきれない戸籍謄本類については、本人などの協力を得て請求するか、または弁護士などに依頼して職務上請求を行ってもらい取得する必要があります。

3. まとめ

広域交付制度は、戸籍謄本類を取得したい場合の利便性を高める制度です。2024年3月からの導入が予定されているので、特に本籍地とは異なる地域に住んでいる方は、広域交付制度について調べておくとよいでしょう。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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