2016年1月から交付が開始されたマイナンバーカード。現在ではどれくらいの人が身分証明書として所持し、また、どれくらいの人が日常的に持ち歩いているのだろうか?
Digital Platformerはこのほど、10代~70代の全国の男女487人を対象に「マイナンバーカードなど各種証明書類に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
現在所持している身分証明書類1位は「健康保険証」、普段持っている身分証明書類1位は「運転免許証」
まず「現在所持している身分証明書類」について尋ねたところ、第1位「健康保険証」(444人/91.2%)、第2位「運転免許証」(409人/84%)、第3位「マイナンバーカード(395人/81.1%)という結果になった。
所持率で見るとマイナンバーカードは1位の健康保険証と2位の運転免許証に次いで、3位ということになるが、所持率を見ると極端な差はついていない。マイナンバーカードは、所持に関してはかなりの普及率に達しつつあると言えそうだ。
続いて「普段携行し持ち歩いている身分証明書類」について尋ねたところ、第1位「運転免許証」(401人/82.3%)、第2位「健康保険証」(324人/66.5%)、第3位「マイナンバーカード」(194人/39.8%)という結果になった。
全体の82%が運転免許証を持ち歩く一方で、マイナンバーカードを持ち歩く人は4割にも達していない。マイナンバーカードを所持している人の半数近くが、持ち歩かないことがこの結果から明らかになった。
最も悪用リスクの不安を感じる身分証明書類&最もセキュリティに不安を感じる身分証明書類、ともに1位は「マイナンバーカード」
マイナンバーカードの所持者は、何が原因で持ち歩かないのだろうか。 考えられるのは、証明書を持ち歩く際に生じる盗難や紛失による悪用リスクやセキュリティに対する不安だ。そこで、続いての調査ではどの身分証明書類に最も高い悪用リスクやセキュリティに不安を感じるかを調査した。
調査の結果、盗難や紛失があった際に最も悪用リスクなどの不安を感じる身分証明書類は、第1位「マイナンバーカード」(61%)、第2位「運転免許証」(16.8%)、第3位「健康保険証」(11.7%)という結果となった。
マイナンバーカードに感じる悪用リスクの懸念は、免許証の実に3.6倍に達している。マイナンバーカードの悪用への不安の強さがうかがえる結果と言えるかも知れない。マイナンバーカードに最も高い悪用リスクを感じる具体的な理由については下記のような声が寄せられた。
●マイナンバーカードに悪用リスクを感じる理由(一部抜粋)
・ICチップが埋め込まれていることもあり、運転免許証よりも汎用性が高そうだから。(男性 20代)
・勝手になりすましや、キャッシングをされそう。(男性 30代)
・預金口座と紐づけられていて個人情報が一番盛り込まれていそうだから。(女性 50代)
・通院履歴や住民票関係など多くの個人情報と紐づいているので。(女性 50代)
・他の証明書に比べて何重にも個人情報が紐づけられ、さらに現在不明瞭で不安定な管理状態にあるため。(女性 30代)
一方、身分証明書類の中で最もセキュリティに不安を感じる身分証明書類についての調査では、第1位「マイナンバーカード」(81.9%)、第2位「健康保険証」(7.4%)、第3位「運転免許証」(4.3%)となり、実に8割以上の人がマイナンバーカードにセキュリティ上の不安を感じていることが明らかになった。
次点の健康保険証と運転免許証は共に10%台にも届いておらず、実に健康保険証の約11倍、運転免許証の約19倍もの人がマイナンバーカードへのセキュリティの不安を感じている結果となっている。
マイナンバーカードに対してここまで強いセキュリティ上の不安を感じるのは、何故なのだろうか。先の質問に「マイナンバーカード」と回答した人にはその理由についても尋ねた。
●マイナンバーカードにセキュリティ上の不安を感じる理由(一部抜粋)
・トラブルが多く報告されているから(女性 20代)
・マイナンバーは漏れたらだめという認識が強いため。(男性 40代)
・ニュースでいろいろと情報漏洩が見られたり、サービス連携が取れていなかったりと不安しかありません。(女性 50代)
・さまざまな機能をどんどん盛り込んでいっているので、パスワード等があってもおおもとのセキュリティの不安はある。(女性 20代)
・すべてこれ1枚でという半面、やはりもしもの時が心配(男性 20代)