「空気を読む」という言葉を聞いたことがあるでしょう。空気を読むとは、その場の雰囲気や、相手の感情や言動を観察して、それに適切に対応していくことを指します。空気が読めることは、特に日本においては、円滑なコミュニケーションをとるための重要なスキルとされています。
一方、「空気が読めない」と言われる人たちもいます。「空気が読めない」を略して「KY」という言葉が使われることもあります。こちらは、場違いな発言や行動でその場の空気を一瞬で悪いほうに変えてしまう人のことを指します。一部ではわざと空気を読まないという人がいるものの、空気を読めないとされる当事者は無意識であり、悪気や悪意は一切ないまましてしまっていることがほとんど。なので、実際にストレスを抱えたり、迷惑を被られるのは、その場にいる周囲の人たちとなります。この記事では、空気が読めない人の特徴を知り、上手な関わり方をご紹介していきます。
空気が読めない人の特徴3つ
空気が読めない人の性格や行動的特徴に触れていきます。空気が読めないことは無自覚なことが多いので、ぜひ自身のチェックとしても確認してみてください。
ここで紹介するものは、意識的に空気を読まない人、精神疾患が原因となるものは省いています。
1.自分の話をするのが好き
相手の話を聞くことよりも自分の話をすることが好きな人は、空気が読めない可能性が高いです。
コミュニケーションとは、会話のキャッチボールです。キャッチボールとは交互に行われて成立するもの。それなのに、自分の話ばかりしてしまうというのは、コミュニケーションがうまく取れていないということと同じです。
自分の話が好きな人は、相手の反応よりも自分が話をすることを優先します。自分のことが大好きなのです。相手がたとえつまらなそうであっても話を止めることはほとんどないでしょう。このようなやりとりを続けていれば、自己中心的で空気が読めない人と周囲から思われても仕方ないのかもしれません。
2.マイルールが決まっているものが多い
自分の中のマイルールがいくつもある人は、空気が読めない傾向があります。マイルールがある人は自分にあえてルールを強いているので、真面目であり、頑固という特徴もあります。この真面目さや頑固さが強ければ強いほど、他人の意見に合わせるという柔軟さはなくなっていきます。つまり、自分勝手ということです。
また、このタイプは他人がマイルールに合わせてくれないと不機嫌になることも多く、悪意はないので不機嫌な態度を隠すこともしません。その態度が周囲からは「KY」と映ってしまうのです。
3.他人に興味を持てないことが多い
円滑なコミュニケーションで必要なのは、他人に興味を持つことです。興味を持っている人と持っていない人の話の聞き方は態度や姿勢、声のトーンなどが違います。
他人に興味を持てない人は、相手から出た言葉の内容しか受け取りません。コミュニケーションにおいてはもちろん言葉の情報も大切ですが、同じように相手の表情や態度、声のトーンやスピードなどの非言語も情報も重要です。
相手に興味を持っていないと、相手の状態を視覚的に捉えることは難しくなります。どこかちぐはぐで、空気が読めない発言や行動をしてしまう人は、相手に興味を持っていない人が実は多いのです。
空気が読めない人とのストレスをためない関わり方とは
空気が読めない人に巻き込まれて、気を遣いすぎてはストレスを抱えてしまうばかりです。ここでは、空気が読めない人の言動をうまく付き合う方法をお伝えします。
1.最低限のコミュニケーションを心がける
円滑なコミュニケーションが期待できない相手であれば、できる限り関わり合いにならないことがおすすめです。
仕事関係の相手ではまったくコミュニケーションを取らないことは難しいでしょうが、接触は業務連絡や挨拶など最低限のものにすることは可能なはず。
こちらが避けるような態度を取ったら相手は何か思うかもしれない……という考えは一旦置いてください。ストレスがかかる相手とのコミュニケーションを減らすことは、自分を守るためだと捉えましょう。
2.聞き手にまわる
空気が読めない人は周囲の人たちがどのような感情を抱いているのか読み取ろうとしません。つまり自分本位で会話を進めたがります。それに抗わず、相手が気持ちいいように会話をしてもらうことが得策です。
その会話の中で不穏な空気になるような発言があったとしても相槌だけで聞き流すようにしましょう。相手の言動に反応してしまっても、相手が思うような反応が得られないとこちらがストレスを抱えるだけ、と覚えておきましょう。
3.何かを伝えるときには具体的に
こちらから相手にアクションを取らないといけない場合には、特徴でお伝えした通り、相手は相手の表情や態度などの非言語情報を読み取る能力が低い可能性があります。なので、可能な限り具体的に伝えるようにしましょう。
そして、そのときにはあなたの感情も一緒に伝えるようにしてください。例えば、「こういう状況だから、〇〇してくれたほうが私は嬉しい」というようにです。その場の空気は読めなくても、相手にとってこの行動は嬉しいものなのだと覚えてくれます。
文・構成/藤野綾子