管理職になって間もない方やいつも忙しいプレイングマネージャーの方々、バタバタと新年をむかえられたのではないでしょうか。とはいえ、また新たな1年が始まります。
この1年をまた忙しくバタバタ過ごすのか、問題を先につぶしてチームを勝利に導けるのか、実は誰にでもできることを実行できているのかどうかがポイントなのです。
そこで、今回は「できる管理職」の方々が新年の抱負や目標をどのように立てているのかをご紹介しながら、リーダーと呼ばれる方々の仕事への向き合い方について参考にしていただきたいと思います。
1.「できる管理職」がやっていることとは
「できる管理職」と聞くと、能力が高く、何をやっても高いレベルでこなす存在をイメージされるかもしれません。誰でもそんなリーダーに憧れますが、実はできるリーダーにそんな能力は必要ありません。特別な能力なんて必要ないのです。
では、何が違うのか。
それは、「誰にでもできることを高いレベルでやっている」ということです。
2.ルール・目標を決めることができる
多くの管理職は、「自分の仕事が忙しい」「管理に時間を割けない」などという理由でルールや目標を設定することはできていません。正確に言うと「やっていない」のほうが正しいかもしれません。
「決める」ことは「誰にでもできること」です。ですが、それをやらない管理職は以外にも多いのです。
目標を決めないと物事は前には進みません。
「予実管理」こそ管理職の役割です。
決めたことが間違っていたのか、どう修正すればよいのかも、「決めたこと」が存在するから検証できるのです。
明日・来週・来月・来四半期・・・。「これを達成する」とまずは決めること。戦略は、目標を達成するために予期される不足を埋める際に必要となります。
「責任を取りたくない」「嫌われたくない」といった理由でなかなか決められないこともあるでしょう。ですが、仕事がすべてではありません。個人としての「幸せ」だけでなく、組織の一員としての「役割」を正しく認識し、「決める役割」をしっかりとやることをまずは抱負として掲げてみてください。
3.指摘をする
ルールや目標を設定できていても、守らなかったときや未達成のとき、指摘ができていない管理職も多く存在します。例えばできる部下が遅刻をしてきたとき、笑って許してしまったなんてできごとは一度や二度は経験がある管理職も多いのではないでしょうか。
100%守らせることや達成させることは難しい。ですが、本来「指摘する」ことは「誰にでもできること」なのです。
問題点は、指摘がないとそれが許されることだと誤解されてしまうことです。
先ほどの例でいえば「時間に遅れた」ことは大した会社の欠損にはなりません。ですが、遅刻をしたことがまかり通ってしまえば、部下は許されたと勘違いします。たかが遅刻ですが、されど遅刻なのです。いずれは遅刻のみならず、上司の言った目標は必ずしもやらなきゃいけないことではない、と勘違いをしてしまうのです。
こうなると大変です。部下は、だんだんと上司を「上司」と認識しなくなくなっていくことでしょう。そんなチームは少しずつ機能しなくなっていき、最終的には未達が続くチームが生まれてしまいます。
こうならないために、まずは「指摘できる基準」を設定しましょう。例えば出社時には必ず挨拶をする。などの簡単なルールでも構いません。大きな目標も大切ですが、まずは小さな一歩からはじめてみましょう。そのルールを破る部下が出たときに、迷いなく指摘することが「できる管理職」がやっていることなのですから。
4.ルールや目標を変える
できる管理職は不足が生じた際には組織を変化させます。とはいえ「人を変える」と解釈するとなかなか難しく感じてしまいますよね。ご安心ください。実はできる管理職は「人を変えている」わけではありません。ただ、ルールや目標を変えているだけなのです。
部下やチームを変えることができないとしても、ルールや目標を変えることは「誰にでもできること」です。
部下やチームを変えるためには、リーダーが変わる(変える)必要があります。部下が成長しない、チームが成長しない場合は、上司である「あなた」が原因であることが多いです。そして多くの場合、それはルールや目標設定の甘さが原因です。
目標やルールを変えるのは面倒です。しかし、リーダーであるあなたがやらない限り、組織は変わりません。したがって目標を設定した後に、チームの未達が続く場合には必ずルール・目標の見直しをしましょう。あるいは、「不足を埋めるために変化する」ことを目標にしてもよいかもしれません。
5.まとめ
できる管理職がやっている、当たり前のことを実施するとチームはどうなるでしょうか。
チームの構成員である部下たちは目標を達成するために明日や来週の行動目標が決まっており、チームとしても来週や来月の行動が見えている状態になります。つまり、未来の行動やそれによって獲得できる数字が見えるようになるだけでなく、事前に問題を察知して対策を打つことまで可能となるのです。
また、部下たちは立てた対策を100%実行するようになり、チームとしての不足が発生する前に戦略を打ち、その戦略の不足もより早く察知することでリーダーが行動変化をしてチームを救う。チームを勝ちに導くことが可能になります。
憧れているだけではできません。「できる管理職」は、ひそかに「誰にでもできる」ことをやっているのです。